地域別のおでんの特徴・レシピ
北海道エリア
◆特徴:ふきやわらびなどの山菜、つぶ貝やほたてなどの貝類が入るのが特徴。おでん専門店の中にはホッケのつみれや、タラのしらこを提供する店もある。緯度が高い北海道では、夏にみそおでんがよく食される。
家庭でおでんを煮る時間の平均:49分(2016年調査:北海道の主婦200名)
札幌風おでん

<室蘭風おでん>
ほたて貝やつぶ貝などの魚介類を昆布ベースのだしで煮込み、みそだれで食す。
東北エリア
◆特徴:煮込みのおでんとともに、田楽も広範囲で食されるエリア。具は根曲がり竹やニオサクなどの山菜類とつぶ貝などの貝類が特徴。青森市周辺では、煮込みおでんに生姜みそだれを付ける。
家庭でおでんを煮る時間の平均:40分(2016年調査:宮城県の主婦200名)
青森風おでん

仙台風おでん

秋田風おでん

関東エリア
◆特徴:代表的な具として、練りものの「はんぺん」「すじ」「つみれ」、小麦粉に塩と水を加えこね棒状にした「ちくわぶ」などがある。昔ながらの「関東風」と、透明な汁(つゆ)が特徴の「関西風」が混在するエリア。
家庭でおでんを煮る時間の平均:46分(2016年調査:東京都の主婦200名)
東京風おでん

中部エリア
◆特徴:黒はんぺんなどの具と真っ黒な汁が特徴の静岡、みそ煮込み・みそ田楽・関東炊きが共存する愛知、ねぎだれが特徴の飯田、赤巻・車麩などの具が特徴の富山や金沢など、多種多様なおでんが散見する。
家庭でおでんを煮る時間の平均:47分(2016年調査:愛知県の主婦200名)
飯田風おでん

金沢風おでん

静岡風おでん

岡崎風田楽

名古屋風みそおでん

<富山風おでん>
塩と昆布やかつお節でとった汁(つゆ)に、具を入れて煮込み、「白とろろ昆布」や練りからしを添えて食べる。
関西エリア
◆特徴:汁(つゆ)が透明の「関西風」と、かつお節としょうゆで煮込む昔ながらの「関東炊き」が共存する大阪。京都では豆腐類・京野菜・ぎんなんなどが入る。たれは生姜しょうゆを付ける「姫路おでん」が有名。
家庭でおでんを煮る時間の平均:71分(2016年調査:大阪府の主婦200名)
京都風おでん

大阪風関東煮

姫路風おでん

中国・四国エリア
◆特徴:瀬戸内海側と日本海側では、味付け・具・つけだれに違いがある。2種のつけだれが特徴の高松おでんと、おでん専門店が人口比で多く、葉物や貝類などの具が特徴の松江のおでんが代表的。
家庭でおでんを煮る時間の平均:76分(2016年調査:広島県の主婦200名)
松江風おでん

高松風おでん

高知風おでん

九州・沖縄エリア
◆特徴:コクのある味わいが特徴のエリア。博多では餃子を魚のすり身で巻いて揚げた「餃子巻」が有名。鹿児島は豚肉と麦みそで作る汁が特徴。沖縄は豚足や青菜が入る。阿蘇高森では、イワナや鶴の子芋などの田楽を食す。
家庭でおでんを煮る時間の平均:93分(2016年調査:福岡県の主婦200名)
長崎風おでん

福岡風おでん

阿蘇高森風田楽

鹿児島風おでん

沖縄風おでん

これで簡単 ご当地おでん早見表
<おでん編>
~大根・卵・こんにゃく・ちくわ・お好きな練りものの他に、以下の具3つで簡単ご当地風おでん~
- 札幌風
- 昆布強めのあっさりだし
- 青森風
- 生姜みそだれ
- 仙台風
- 焼き干しいわしに塩味
- 秋田風
- 甘めの煮物風
- 東京風
- 濃口しょうゆとかつお節
- 飯田風
- ねぎしょうゆだれ
- 金沢風
- 色が淡いあっさりだし
- 静岡風
- 黒い汁とだし粉
- 名古屋風みそおでん
- 八丁味噌
- 京都風
- 昆布だしに塩味
- 大阪風関東煮
- 関東煮に鶏だしをプラス
- 姫路風
- 生姜しょうゆたれ
- 松江風
- あごだしと鶏だし
- 高松風
- 2種のみそだれ
- 高知風
- かつお節と鶏だし
- 長崎風
- あごだしと甘み
- 福岡風
- 合わせだしに牛すじでコク
- 鹿児島風
- 豚骨だしと昆布に麦みそ
- 沖縄風
- かつお節ベースに豚の旨み
東西 田楽味くらべ<田楽編>
- 岡崎風
- 八丁味噌の田楽みそと菜飯
- 阿蘇高森風
- みかんの皮入り田楽みそ
全国おでんマップ
このページについて
このページは主に、1)1994年より発行している報道用資料「紀文・鍋白書」などの抜粋、2)料理研究家渡辺あきこさんと紀文社員との取材、3)当社商品のレシピを考案するクッキングコミュニケーターによる取材、4)歴年の消費者調査による結果などをまとめたものです。
なお、記載する特徴やレシピは、該当都道府県の全域的なものではなく、県内に局所的に出現するものや、専門店の特徴的なレシピもあります。
また、レシピのご当地の食材については代用品を記載してあります。
おわりに
~おでんの取材を通じて感じたこと~ 渡辺あきこ
私のフィールドワークの原点は、人々に脈々と受け継がれている料理の探索であり、仕事でもよく地方に行きます。
おでんとご当地の関わりといえば、2000年に酒造メーカーと紀文さんのコラボレーションのイベントで、各地を取材しておでんを再現しました。そして、2018年、春から秋にかけて、再度、ご当地おでんの取材をしました。
取材では、おでん屋さんにお話を聞くのはもちろん、地元で出会った一般の方に「あなたのご家庭のおでんの特徴は?」と尋ねます。そうすると、皆さん「ウチは普通のおでん、これといった特徴はありません。」とお答えになりますが、話を進めていくと、だしの取り方や種ものの工夫など発見の連続でした。
例えば、秋田市のAさんは焼き干しと干ししいたけなどだしのこだわっていたこと、大阪市のNさんは牛すじと鶏肉でだしを一日がかりで用意すること、松江市のIさんは翌日にうどんを入れて楽しんでいること、小倉市のYさんは餅入り巾着の中にキャベツを入れることなどです。
おでんを提供するうどん店のKさんにはだしまでみせていただき丁寧な仕事ぶりだったこと、おでん専門店のFさんには火加減の大切さを教えていただいたことなど、一般の方もプロの方も、おでんに対する愛情はひとしおのものだと感じ、改めておでんの懐の深さに接した取材でした。
今回紹介するレシピは、ご当地で利用されるだしの素材(秋田=焼き干しいわし、大阪=鶏や牛すじなど)や名産品を利用したレシピにしました。だからといってご当地の素材が集まらないとご当地おでんが作れないと心配することはありませんよ。代用品を記載しましたので、ぜひともご当地おでんにチャレンジしてみたらいかがでしょうか。
プロフィール
渡辺あきこ(わたなべ・あきこ)さん
料理研究家 東京都出身。専門は日本の家庭料理。日本各地の郷土料理の研究をライフワークにしている。NHK「きょうの料理」「あさイチ」に出演。NHKラジオジャパン(国際放送)「日本の家庭料理を作ろう」で日本の料理を海外に発信中。
~気軽にチャンレンジ ご当地風おでん~ 紀文クッキングコミュニケーター 根岸恭子
「紀文・鍋白書2018」」によると、おでんは「よく食べる鍋料理」で97年から連続19年一位となっており、日本の冬の食卓に欠かせないメニューといえそうです。また、毎年行うおでんの調査から、家庭でのおでんの調理時間が関東と関西では差が合ったり、だしの素材や用いる具が違っていたりと、おでんの地域性がデータからも読み取れます。
今回は、そのようなご当地おでんの数々を、家庭で楽しめるようにアレンジしたレシピでご紹介します。その中のいくつかは、汁のベースに「紀文おでん汁の素」を使いましたので、そこからご当地風おでん作りを始めてみてもいいかもしれません。そこに、それぞれのおでんに合わせた調味料をプラスしたり、つけだれを作るよう工夫しました。いつものおでん+αの工程で作ることができるので、気軽にチャレンジしていただけます。
いろいろな種類の鍋料理を楽しむように、おでんもバリエーションメニューを取り入れて、わが家のおでんライフを豊かにしてみませんか。
プロフィール
株式会社紀文食品 クッキングコミュニケーター 根岸恭子(ねぎし・きょうこ)
紀文クッキングコミュニケーターは、紀文商品をより便利に使っていただけるよう、練り製品を中心としたメニューを考案しています。料理教室やWebサイト、リーフレット等でのレシピ発信を通じて、これからも生活者のみなさまとのコミュニケーション活動を行っていきます。
私のフィールドワークの原点は、人々に脈々と受け継がれている料理の探索であり、仕事でもよく地方に行きます。
おでんとご当地の関わりといえば、2000年に酒造メーカーと紀文さんのコラボレーションのイベントで、各地を取材しておでんを再現しました。そして、2018年、春から秋にかけて、再度、ご当地おでんの取材をしました。
取材では、おでん屋さんにお話を聞くのはもちろん、地元で出会った一般の方に「あなたのご家庭のおでんの特徴は?」と尋ねます。そうすると、皆さん「ウチは普通のおでん、これといった特徴はありません。」とお答えになりますが、話を進めていくと、だしの取り方や種ものの工夫など発見の連続でした。
例えば、秋田市のAさんは焼き干しと干ししいたけなどだしのこだわっていたこと、大阪市のNさんは牛すじと鶏肉でだしを一日がかりで用意すること、松江市のIさんは翌日にうどんを入れて楽しんでいること、小倉市のYさんは餅入り巾着の中にキャベツを入れることなどです。
おでんを提供するうどん店のKさんにはだしまでみせていただき丁寧な仕事ぶりだったこと、おでん専門店のFさんには火加減の大切さを教えていただいたことなど、一般の方もプロの方も、おでんに対する愛情はひとしおのものだと感じ、改めておでんの懐の深さに接した取材でした。
今回紹介するレシピは、ご当地で利用されるだしの素材(秋田=焼き干しいわし、大阪=鶏や牛すじなど)や名産品を利用したレシピにしました。だからといってご当地の素材が集まらないとご当地おでんが作れないと心配することはありませんよ。代用品を記載しましたので、ぜひともご当地おでんにチャレンジしてみたらいかがでしょうか。
プロフィール
渡辺あきこ(わたなべ・あきこ)さん
料理研究家 東京都出身。専門は日本の家庭料理。日本各地の郷土料理の研究をライフワークにしている。NHK「きょうの料理」「あさイチ」に出演。NHKラジオジャパン(国際放送)「日本の家庭料理を作ろう」で日本の料理を海外に発信中。
「紀文・鍋白書2018」」によると、おでんは「よく食べる鍋料理」で97年から連続19年一位となっており、日本の冬の食卓に欠かせないメニューといえそうです。また、毎年行うおでんの調査から、家庭でのおでんの調理時間が関東と関西では差が合ったり、だしの素材や用いる具が違っていたりと、おでんの地域性がデータからも読み取れます。
今回は、そのようなご当地おでんの数々を、家庭で楽しめるようにアレンジしたレシピでご紹介します。その中のいくつかは、汁のベースに「紀文おでん汁の素」を使いましたので、そこからご当地風おでん作りを始めてみてもいいかもしれません。そこに、それぞれのおでんに合わせた調味料をプラスしたり、つけだれを作るよう工夫しました。いつものおでん+αの工程で作ることができるので、気軽にチャレンジしていただけます。
いろいろな種類の鍋料理を楽しむように、おでんもバリエーションメニューを取り入れて、わが家のおでんライフを豊かにしてみませんか。
プロフィール
株式会社紀文食品 クッキングコミュニケーター 根岸恭子(ねぎし・きょうこ)
紀文クッキングコミュニケーターは、紀文商品をより便利に使っていただけるよう、練り製品を中心としたメニューを考案しています。料理教室やWebサイト、リーフレット等でのレシピ発信を通じて、これからも生活者のみなさまとのコミュニケーション活動を行っていきます。