かまぼこなどの練りものの作り方
練りものとは
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①かまぼこやちくわなどの練りものを作るには、スケトウダラなどの魚肉に塩を加えて、よくすりつぶします。
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②そのよく練った塩ずり身を丸や四角に成型し、加熱(蒸す、焼く、揚げる、ゆでる)して作るので「魚肉練りもの」と呼ばれています。
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③練りものは「弾力」(「足」)と呼ばれる独特な食感をしています。
たんぱく質の変化
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④この練りものの弾力は、たんぱく質の網のような絡み合いから生まれます。ポイントは2つ。
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⑤最初のポイントは、「塩」です。塩が、練りものの食感に大きく影響を与えます。
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⑥魚肉に塩を加えてすりつぶすことで、筋原線維たんぱく質が溶けだして、それらが複雑に絡み合います。
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⑦次のポイントは「熱」です。塩を加えてすりつぶした塩ずり身に熱をかけると、それがほぐれない構造となって、弾力を持つのです。
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⑧このプロセスを細かくみると、魚の筋細胞は主に筋原線維たんぱく質が集まった筋線維からできています。
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⑨そのたんぱく質の中の筋原線維たんぱく質が練りものの弾力の源(みなもと)なのです。
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⑩さらに細かくみると、筋原線維は太いミオシンフィラメントと細いアクチンフィラメントから成り立っています。
塩を加える
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⑪このような構造をした魚肉に塩を加えてすりつぶします。
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⑫塩のナトリウムイオンや塩素イオンが筋原線維たんぱく質に浸透します。
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⑬すると、太いミオシンフィラメントはミオシン単量体という形になってバラバラになります。
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⑭一方、アクチン粒子が糸のように並んでいるアクチンフィラメントも、塩が浸透して長い糸がバラバラになります。
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⑮やがて、アクチンの長い糸と、たくさんのミオシン単量体が結合して、大きなアクトミオシンが生成され、粘性のある塩ずり身ができます。
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⑯このように、塩ずり身の粘性は、塩によって筋原線維がアクトミオシンに変化するからなのです。
加熱による変化
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⑰次に、粘性の出た塩ずり身を加熱します。
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⑱熱をかけるとアクトミオシンのミオシンの頭同士や尻尾が絡まりあってきます。
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⑲そして、網のように絡み合うことにより練りものの弾力が生まれるのです。