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お正月のいわれ

お正月と年神さま

民俗学者 久保田 裕道(くぼた・ひろみち)

民俗学者 久保田 裕道(くぼた・ひろみち)
正月には、各家にやってくるとされる「年神様」。年神様とはどんな神様なのでしょうか。また、正月は各家で行う祭りでもあり、祝い方も少しずつ違います。日本全国にはさまざまな正月の過ごし方があるのです。

年神さまってどんな神さま?

年が明けると、「あけましておめでとう」と挨拶をします。でもなぜ、おめでたいのでしょう? それは、新たな年を迎えるから。では、新たな年を迎えるというのはどういうことかといえば、これは年神さま(年徳神などとも呼ばれます)をお迎えするということであって、だから、おめでたいのです。でも年神さまって、いったいどんな神さまなのでしょうか。お正月以外では聞かないけれど、いったい普段はどこで何をしているのか、考えてみれば不思議です。

神さまなら、神社だろうと思って探してみますと、確かに「大歳神社(おおとしじんじゃ)」などで年神さまを祀っている例が見られます。では、全国の年神さまはそこからやって来るのかというと、決してそういうわけではないのです。

私たちのところにやって来る年神さまというのは、暮らしの中で伝えられてきた神さまです。神さまというのは、必ずしも神社で祀られているわけではなくて、いわば、「民間信仰」の中で伝えられてきたものがたくさんあるのです。こうした神さまは、長い歴史の中でいろいろな要素が入り混じって、身近だけれど正体がよくわからなくなっています。ですから、年神さまの正体も謎につつまれている部分が多いのですが、少しずつ解きほぐしてみることにしましょう。

次のページは祖霊信仰の年神さまです。

久保田 裕道(くぼた・ひろみち)

1966年千葉県生まれ。博士(文学)。民俗学者。國學院大學兼任講師。東村山ふるさと歴史館学芸員。民俗芸能学会理事。儀礼文化学会幹事。
主な著書に「神楽の芸能民俗的研究」(おうふう)、「『日本の神さま』おもしろ小事典」(PHPエディターズグループ)、共著に「心を育てる子ども歳時記12か月」(講談社)、「ひなちゃんの歳時記」(産経新聞社)など。

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