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おでん教室

定番おでんの作り方とレシピ

  • 株式会社紀文食品

おいしくおでんを作るには守りたいコツがあります。コツって何?という方のために、『時計:おでんタイムテーブル』『動画』『十か条』の3つのTipsを紹介します。これでおでん達人の仲間入りできますね。
また、本格派には、だしから作る「東京風おでん」「大阪風関東煮」を、チャレンジ派には「ご当地おでん」をご用意しました。

入門編定番のおでん作りを覚えたい

おいしくおでんを作るには守りたいコツがあります。「煮えにくいもの、味のしみ込みにくいものから順番に煮る」「弱火でコトコト煮る」「鍋にフタをして煮込むときは必ずフタをずらす」「練りものは煮込みすぎない」「はんぺんは食べる直前に」などです。

コツって何?という方のために、『時計:おでんタイムテーブル』『動画』『10か条』の3つのTipsをご用意しました。これでおでん達人の仲間入り。

『時計』で覚える 約45分で作るおでん

この時計(おでんタイムテーブル)は、1960年代後半に紀文が考案したもので長い歴史があります。
赤い箱でおなじみの「紀文のおでん 汁の素」のパッケージにも印刷されているスタンダードな作り方です。

具の下ごしらえをします
						大根・厚さ2cmの輪切りに。・面取りをして片面に十文字の切り込みを入れ固めにゆでます。
						卵・固めにゆで、殻をむきます。
						こんにゃく・両面に格子状の切れ目を入れ食べやすい大きさに切ります。
レンジで時短下ごしらえ術はこちら
1)スタート ・鍋に入れて火にかけます ・沸騰したら弱火で30分 ・煮えにくいものから順に煮ます 2)さらに弱火で15分 3)なめらかでソフトな魚河岸あげ®はほかの具より後から入れます 4)約45分でできあがり ・はんぺんは火を止める直前に加え、汁をかけて温めます

『動画』で覚える 約45分で作るおでん

この動画は、「おでんは味のハーモニー、大根から練りものまで具(たね)を全部おいしく召しあがっていただきたい」という思いから、2021年に制作した新作です。

『十か条』でおでんの鉄則を覚える

紀文のクッキングコミュニケーターが料理講習会で必ずお伝えする、おでんの鉄則!『十か条』。ポイントが「準備」「下ごしらえ」「煮るとき」と分かれていて覚えやすいと好評をいただいています。

    準備のポイント
  1. 大きめの鍋で、具(たね)が浸るぐらい汁をたっぷりと用意。
  2. 具(たね)はいろいろ用意して、味や食感の変化をつける。
  3. 下ごしらえのポイント
  4. ゆで玉子は固ゆでに。大根やこんにゃくは表面に隠し包丁を入れる。
  5. 煮るときのポイント
  6. 煮えにくいもの・味のしみ込みにくいものから順番に煮る。
  7. 弱火でコトコトがポイント。強火は煮くずれ・煮つまり・汁のにごりの原因に。
  8. 鍋にフタをして煮込むときは必ずフタをずらす。
  9. 汁が煮つまったときは、味をみてお湯か汁を足す。
  10. 練りものの旨みがおでん汁に出過ぎないように、練りものを煮る間は10〜15分。
  11. はんぺんは食べる直前に入れ、汁をかけながらさっと温める。
  12. その他のポイント
  13. 揚げものは油分が気になるときは熱湯でさっとかける程度の油抜きを。

クッキングコミュニケーター
おすすめの定番レシピ

紀文おすすめ!おでん
材料:4人分
はんぺん(大判)1パック
焼ちくわ1パック
揚ボール1パック
魚河岸あげ®2個
紀文つみれ1パック
ちくわぶ1パック
結び昆布4本
こんにゃく1枚
大根300g(1/3本)
ゆで玉子4個
A:汁(つゆ)3,000ml
からし適宜
作り方
  1. はんぺんは8等分の三角形に切り、焼ちくわ、ちくわぶはそれぞれ長さを2等分し、さらに斜め2等分に切る。魚河岸あげ®は2等分に切る。
  2. こんにゃくは両面に細かく包丁で切り込みを入れて、食べやすい大きさに切り、さっとゆでておく。
  3. 大根は2cm厚さに切り、片面に十文字の切り込みを入れ、下ゆでする。
  4. 鍋にAを煮立て、ちくわぶ、大根、こんにゃく、ゆで玉子を加えて弱火で約30分間煮る。
  5. 4に焼ちくわ、揚ボール、つみれ、結び昆布を加え、さらに約5分間煮る。
  6. 5に魚河岸あげ®を加えて約10分間煮る。
  7. 最後にはんぺんを加え、おでん汁(つゆ)をかけながら温め、ふっくらしたら火を止める。

本格派だしから作る東京風おでん/大阪風関東煮

専門は日本の家庭料理がであり、近年のライフワークは伝統料理の研究と語る料理研究家の渡辺あきこさんのレシピ。東京風は「茶飯(さくら飯)」もご一緒に。大阪風の鶏だしは絶品。

東京風おでん
東京風おでん
●材料:4人分
大根600g
4個
黒こんにゃく1枚
さつま揚4枚
ちくわぶ2本
焼ちくわ1本
はんぺん (大判)1枚
すじ1パック
つみれ1パック
1500ml
昆布10g
かつお削り節30g
A しょうゆ大さじ3
A 酒大さじ2
A 砂糖小さじ2
A 塩小さじ1/2
<茶飯> 
2合
A しょうゆ大さじ1 1/2
A 酒大さじ2
●作り方
  1. <だしをとる> 鍋に水、昆布を入れて中火にかけ、沸騰直前に昆布を取り出し、煮立ったらかつお削り節を入れ、弱火で1~2分煮て、こす。昆布は2cm幅に切って結ぶ。
  2. 大根は3cm厚さの輪切りにして薄く皮をむき、片面に十文字の切り込みを入れ、竹串がすっと通るまで30分ほどゆでる。
  3. 卵は水からゆで、沸騰したら8分ゆでて水にとり、さめたら殻をむく。
  4. こんにゃくは片面に格子状に切り込みを入れ3つに切り、さらに斜め半分に切って熱湯で2分ゆでる。さつま揚はザルにのせ、熱湯を回しかけて油抜きする。
  5. ちくわぶは長さを半分に切り、さらに斜め半分に切る。ちくわも同様に切る。はんぺんは三角に4等分に切る。すじは1.5cm幅の輪切りにする。
  6. 1のだし汁にAの調味料を加え、大根、こんにゃくを入れて中火にかけ、沸騰したらフタをして弱火で20分煮る。
  7. ちくわぶ、ちくわ、すじ、つみれ、さつま揚、1の結び昆布、ゆで卵を加え、10分煮る。味をみて塩少々(分量外)を加えて味をととのえる。
  8. はんぺんを入れひと煮立ちしたら火を止め、そのままさまして味を含ませる。
  9. <茶飯を作る>
  10. 米は洗ってザルにあげて水けをきる。炊飯器に入れ水400mlを加えて30分おいてから、Aを加え混ぜて炊く。
●ワンポイント

東京風おでんにはしょうゆで炊いた「茶飯(さくら飯)」がよく合います。

おでん専門店の中には、薄口しょうゆを使用している店もあります。

大阪風関東煮
大阪風関東煮
●材料:4人分
大根600g
4個
黒こんにゃく1枚
じゃがいも(メークイン)小4個
厚揚げ1枚
ごぼう巻4本
平天(さつま揚)4枚
生ちくわ4本
牛すじ串(市販品)4本
ゆでだこの足4本
<煮汁> 
1500ml
鶏手羽元4本
昆布10g
かつお削り節20g
A 淡口しょうゆ大さじ3
A みりん大さじ1
A 塩小さじ1/2
●作り方
  1. <だしをとる>手羽元は熱湯で1~2分ゆでて、脂を抜く。鍋に水、手羽元、昆布を入れて中火にかけ、沸騰直前に昆布を取り出す。煮立ったら弱火にし、アクをすくいながら弱火で15分煮る。手羽元を取り出し、かつお削り節を入れて弱火で1~2分煮て、こす。
  2. 大根は3cm厚さの輪切りにして薄く皮をむき、片面に十文字の切り込みを入れ、竹串がすっと通るまで30分ほどゆでる。
  3. 卵は水からゆで、沸騰したら8分ゆでて水にとり、さめたら殻をむく。
  4. こんにゃくは横2つに切り、それを2cm幅に切り、熱湯で2分ゆでる。
  5. じゃがいもは皮をむき水にさらし、1つずつ「お茶パック」に入れて、かためにゆでる。
  6. 厚揚げ、ごぼう巻、平天はザルにのせ、熱湯を回しかけて油抜きする。厚揚げは4つに切る。たこは串にさす。
  7. 1のだし汁にAの調味料を加え、大根、こんにゃく、じゃがいも、牛すじ串、手羽元を入れて中火にかけ、沸騰したらフタをして弱火で20分煮る。厚揚げ、ごぼう巻、平天、ちくわ、たこ、ゆで卵を入れて、10分煮る。
  8. じゃがいもはパックから出し、味をみて塩少々(分量外)を加えて味をととのえる。
  9. 火を止め、そのままさまして味を含ませる。
●ワンポイント

現代の大阪では、かつお節としょうゆで煮込む関東煮(かんとだき)と、だし汁が透明のおでんが共存します。

大阪といえば、クジラのコロ・サエズリが定番でしたが、価格が高騰したため、だし汁に牛すじや鶏肉を入れコクを出すご家庭も多いそうです。

じゃがいもを「お茶パック」に入れて煮ると、汁がにごりにくくなります。

チャレンジ派編集部が選ぶ ご当地おでん三選

ご当地おでんマップ

紀文にはご当地おでんのレシピが23レシピあります。

どのおでんがおすすめですかとよく質問をお受けします。
各おでん毎に特徴があっておいしいおでんなので、悩みに悩ましたが、今回、特におすすめを編集部が3つ選びました。

中部地方から「名古屋風みそおでん」、中国地方から「松江風おでん」、四国地方から「高松風おでん」です。

  • 名古屋風みそ煮込みおでん
    名古屋風みそ煮込みおでん

    八丁みそで煮込む名古屋を代表するおでん。豚もつや角麩にしみこんだ、八丁みその独特の味わいと香りが特徴。

  • 松江風おでん
    松江風おでん

    干しあごと鶏手羽先でとっただしで、つぶ貝やあごちくわを煮込んだ、海の幸豊かなおでん。彩りに春菊やセリをあしらう。

  • 高松風おでん
    高松風おでん

    讃岐うどん店には、おでんコーナーがあり、2種類のみそだれ(白みそとからしなどで作るたれと、赤みそと砂糖などで作るたれ)が特徴。

紹介するレシピは、ご当地で利用されるだしの素材や名産品を利用しました。
レシピ内には、ご当地の素材の代用品を記載しましたので、ぜひともご当地おでんにチャレンジしてみたらいかがでしょうか。

簡単だし派白だしと焼ちくわで
簡単だし旨おでん

あっさり白だしを使ったおでん汁(つゆ)に、「焼ちくわ」からしみ出した鯛だしのダブルの旨みでおいしさ際立ちます。昆布の代わりにわかめをさっと煮ていっしょにいただくと、ひと味違っておいしく召し上がれます。

だし旨おでん

おでんの科学味のしみ込みの理論と実験

おでんの魅力は、薄味の汁(つゆ)でゆっくりと煮込んでいくうちに、具(たね)の持ち味と汁のうま味が絡み合って醸し出す、素朴でありながら深みのあるおいしさ。

このおでんに味がしみ込むという現象は、どのようなメカニズムで起こるのでしょう。調理科学を研究しているお茶の水女子大学の佐藤 瑶子先生に、「味のしみ込み」についてインタビューを行った一部をご紹介します。

また、紀文で行った実験によれば、沸騰させて煮ると、味のしみ出し・しみ込みは早くなりますが、45分も煮ると焼ちくわは味が出すぎて軟らかくなり、膨張して本来の食感を失ってしまうことがわかりました。

佐藤瑤子先生に質問(一部抜粋)

Qおでんに味がしみ込むというのは、どのような現象なのでしょうか?

A汁(つゆ)のほうがうま味成分や食塩の濃度が高いので、汁(つゆ)から大根へと成分が移動していく、「拡散」と呼ばれる物理現象。

Qおでんはコトコト煮るとおいしくなると言われます。その理由はなんでしょうか?

A煮くずれ予防と、表面と内部のうま味成分など濃度差が小さくなるからです。

おでんの味のしみ方実験(一部抜粋)

煮方の実験「遊離アミノ酸の変化測定」より

うま味成分の一つ「遊離アミノ酸」は、コトコト煮る場合と沸騰させて煮る場合とでは、どのように変化していくのか。15分煮た場合と45分煮た場合とで比較してみました。

実験結果

沸騰させて煮ると、味のしみ出し・しみ込みは早くなりますが、45分も煮ると焼ちくわは味が出すぎて軟らかくなり、膨張して本来の食感を失ってしまいます。大根も破断強度が小さくなりすぎて煮くずれてしまうことに。やはり「コトコト」がおでんを煮る際のコツと言えるでしょう。

失敗はイヤ失敗学に学ぶ
おでんの作り方(一部抜粋)

紀文では「おでんの調理上の失敗」について、アンケート調査を行いました。
結果はおでん作りで失敗したことがあるという人は約65%。失敗内容も多岐に渡りました。
どうやら、『味がしみ込むように、じっくり煮込む』ことに注力するあまり、煮込み時間が長くなる傾向になり、煮過ぎが失敗の要因ということが浮かびあがってきました。

アンケート結果:失敗の例
  • 練りものについて

    練りものが膨らんでしまう・鍋からあふれる

    練りものを煮込み過ぎて、すが入った

    膨らんだ練りもの

    膨らんだ練りもの

  • 汁・味つけについて

    おでん汁(つゆ)の色が濁った・悪くなった

    味つけを失敗した

    濁ってしまった汁

    濁ってしまった汁

  • 野菜について

    いも類が柔らかくなりすぎた・煮くずれた

    大根に味がしみていない

    いも類の煮崩れ

    いも類の煮崩れ

  • 調理について

    焦がした

    煮すぎて味が濃くなった

    焦げた大根

    焦げた大根

  • その他の具について

    餅が巾着から出てきてしまった

    ゆで玉子が割れた・煮くずれした

    餅が破れたり割れた具

    餅が破れたり割れた具

  • その他

    作りすぎてあまってしまった

    しょうゆを入れすぎて味・色が濃くなった

とにかく時短忙しい時の「時短」技

水だし汁で、おいしく簡単に本格だし!

水だし汁は一晩おくだけで簡単にとることができます。
おでん以外にも、いろいろな料理に使える風味豊かな本格だしです!

一晩ねかせる
できあがり
大根、こんにゃくの下ごしらえもレンジで時短!

下ごしらえに電子レンジを活用することで調理時間を短縮!
また、こんにゃくはアクや臭みが抜けます。

大根ラップ
こんにゃくレンジ前