鍋教室
野菜をたっぷり味わう鍋3種

料理研究家。四季に寄り添った、季節感あふれる食と暮らしの提案をしている。野菜づくりを長年ライフワークとし、旬の野菜をたっぷりと使った料理や、これまでに旅をしてきた世界各国のエッセンスを取り入れた料理はセンスの良さで定評がある。
紀文が調査・発表している【鍋白書】2019年版で「鍋を用意するとき、重視することは?」の質問に「野菜がとれるようにする」が第1位。野菜不足になりがちな現在、「野菜鍋」なら野菜をたくさんおいしく食べることができます。料理研究家・植松良枝さんに、おすすめの「野菜鍋」を聞きました。
鍋に合わない野菜はない
今回は、香りのよいニラや水菜などの葉物野菜と、いま注目されているカリフラワーを使った野菜鍋をご紹介します。和風・洋風・中華の3種、ぜひ一度お試しください。
仕事の関係で世界中を旅していろいろな料理を食べてきましたが、「鍋に合わない野菜はない」というのが私の結論。トマトなど夏野菜も鍋にすると、また違ったおいしさがあります。わが家は夫と息子の3人家族ですが、みんな鍋が大好きで、週に一度は食べます。鍋の応用範囲は広くて、具を食べたら、締めに麺を入れたりごはんを入れたりと、ご家庭それぞれの味わい方、その日の気分で楽しむことができますよね。
植松流「野菜鍋」三カ条
- 野菜とほかの具との比率は8対2
- 野菜は煮過ぎないで歯ざわりを楽しむ
- 野菜に合わせて肉や練りものをプラス
ニラと豆苗の担々鍋
ニラや豆苗など野菜をふんだんに使った鍋。絹ごし豆腐を1丁そのまま入れます。濃厚スープにすりごまをたっぷりかけるのがコツ。「魚河岸あげ®」と豆腐が入って、たんぱく質も豊富です。

この鍋にこの野菜を使うワケ
ニラ:強い味わいの鍋なので、ニラのパワフルな香りがよく合う。
豆苗:豆の香りがふわっとして、半生で食べるのがおすすめ。
チンゲン菜:担々麺には、やはりチンゲン菜。油との相性がよい葉野菜。
プチトマト:うまみと酸味がときおり口に入ることでリフレッシュ。
この鍋に合うほかの野菜
もやし、レタス、クレソン
この鍋でたんぱく質を含む主な食材
豆腐と魚のすり身を使った「魚河岸あげ®」、絹ごし豆腐、豚ひき肉

水菜の柚子こしょう鍋
味付けは酒と柚子こしょうだけ、あまり煮込まないシンプルな和風鍋。最後に入れるそうめんに合わせて、水菜やえのきはもちろん、長ねぎやかまぼこも細切りに。かまぼこや「鍋だね海老」からの旨みも味わえます。

この鍋にこの野菜を使うワケ
水菜:クセのない野菜で、火を通しても残るシャキシャキ感が魅力。
長ねぎ:冬の長ねぎは甘みもあるので、たっぷりと入れたい。
えのき:そうめんに太さも似て、シコシコとした食感も個性的。
この鍋に合うほかの野菜
しめじ、キャベツ、せり
この鍋でたんぱく質を含む主な食材
かまぼこ、海老と魚のすり身を使った「鍋だね海老」、鶏ひき肉

カリフラワーの北欧鍋
フィンランドのおふくろ料理「ロヒケイット(サーモンスープ)」風の鍋。取り分けてからのせるディルとサワークリームが味の決め手。鮭のほかにカニカマや、スープをよく吸うはんぺんも入ります。
この鍋にこの野菜を使うワケ
カリフラワー:下ゆで不要で、くせがなく、加熱するとホクホクしてだしをよく吸う。
白菜:煮るとトロッとするのがよく、洋風の味付けにもよく合う。
この鍋に合うほかの野菜
かぶ、きのこ類、じゃがいも
この鍋でたんぱく質を含む主な食材
鮭、カニカマ、はんぺん

鮭とスープのベースとなる野菜

後半に入れる具材