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世界の正月食マップ

紀文では、世界の正月の暦や食習慣について、フォトグラファーでルポライターの森枝卓士さんと、江上料理学院 副院長の江上佳奈美さんにお話を伺いました。また、世界の正月の実態を把握するために、4か国の海外アンケートを行いました。
以下はその結果をまとめた、「世界の正月食マップ」になります。

地図作成・調査:紀文食品

世界の正月 食べ物地図

4か国調査:「正月(新年)はいつ?何をする?何を食べる?」

タイ・フランス・アメリカ・ブラジルに住んでいる方に、「正月はいつ?何を食べる?何をする?」という特別調査を実施しました。結果は以下の通りとなりました。(調査概要はこのページの一番下に記載)

「あなたの国の正月(新年)はいつ?」 
(単数回答)

●タ  イ:1月:65.7%、4月:14.3%、12月:4.3%
●フランス:1月:75.7%、12月:12.4%、4月:2.9%
●アメリカ:1月:81.9%、12月:6.7%、10月:2.4%
●ブラジル:1月:56.2%、12月:28.1%、6月:3.3%

各国とも1月が多いのはもちろんのこと、クリスマスと正月がセットという森枝説の通り、次に12月が多く見られました。

この他、タイでは4月が14.3%と2位になりました。これはソンクラーン祭りと呼ばれる「水かけ祭り」をさしているものと思われます。

現代のフランスではグレゴリオ暦を使用しています。しかし、それ以前はユリウス暦が用いられ、当時はイースターから一年が始まるものとみなされていて、イースターが移動祝日のため、これに近い4月1日に新年が祝われたという説もあります。結果、フランスで4月の回答があったと推測できます。

mizukakematsuri

タイ「ソンクラーン祭り」

「あなたは、正月(新年)は何をする?」
(自由回答)・(以下は各国ごとに5つ抽出)

自由回答の中から5つ抽出
●タ  イ:旅行をする、仏様に敬意を表して功徳を積む、水をかける、年上の親戚に電話する、施しをする
●フランス:パーティーをする、ダンスをする、家族と過ごす、贈り物で祝う、ボードゲームをする
●アメリカ:ボールドロップを見る、パーティーをする、花火をする、カウントダウンをする、ショーに行く
●ブラジル:パーティーをする、海にいく、花火を見る、家族で集まる、波を跳ねる

除夜の鐘の音が厳かに響く日本の大晦日とは違い、ブラジルでは「海にいく」「花火を鑑賞する」など真夏の楽しそうな正月の光景が目に浮かびます。

また、タイでは「仏様に敬意を表して功徳を積む」などお国柄を反映した回答があがりました。

アメリカの「ボールドロップ」とは、ニューヨーク・マンハッタンで行わるカウントダウンのイベントでテレビで中継もされるそうです。

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ブラジルの海岸で大晦日に花火を鑑賞する人々

「あなたは、正月(新年)は何を食べる?」
(自由回答)・(以下は各国ごとに5つ抽出)

●タ  イ:ムーガタ(タイ式焼き肉)、カオチェー(冷やしがゆ)、ラープ(肉とハーブの和え物)、ろうそく菓子(葉に餅のようなものを包んだ、ろうそくのような形の菓子)、子豚の丸焼き
●フランス:カキ、フォアグラ、サーモン、カタツムリ、七面鳥
●アメリカ:ブラックアイドビーンズ(黒目豆)、ブドウ、タマレス(メキシコ料理)、ジョロフライス(西アフリカの料理)、七面鳥
●ブラジル:レンズ豆、バーベキュー、ザクロ、チェスター(鶏の丸焼き)、ラザニア

タイでは肉料理が多く、また、酷暑時の3月から4月に食すことが多いといわれるカオチェーもあがりました。

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大晦日にブドウを12粒食べる

アメリカやブラジルでは様ざまな国にルーツを持つ方々の回答だと推測される、料理や、ザクロやブドウなど果物も散見されました。(写真:ブドウ:大晦日に12粒食べると幸福になるというスペインの風習)

さらに、豆類では、アメリカがブラックアイドビーンズ、ブラジルはレンズ豆が多く見られました。

フランスはカキやフォアグラなどの少し豪華なオードブルが多くあがりました。

変化することで受け継がれていく食文化

森枝さんや、森枝さんの知人皆さんの話から、新年を祝う季節やその祝い方は、国や地域によって様ざまであり、それぞれの暦や風土に背景があること、そして、インドのライスプディングやキルギスの正月祭りで飲むスモロクなど、多様な食文化があることがわかりました。
また、江上さんの話からは、おせちのいわれのように、食材に意味を持たせる縁起担ぎの食べ物があることもわかりました。
森枝さんや、森枝さんの知人皆さんの話
江上さんの話から

近年、日本では、伝統食である和食の良さをどのように受け継いでいくかということが課題となっています。

グループ会社「紀文シンガポール」の駐在員の情報によれば、2021年、シンガポールなどの旧正月には欠かせない伝統的な干し肉料理「Bakkwa(バクワ)(※写真上)」を、ワッフルに挟んだ「バクワサンド(※写真下)」が販売され、話題になったそうです。

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バクワは旧正月に欠かせない食材

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ワッフルの生地でバクワを挟んだバクワサンド


伝統を大切にしながら現代のニーズを柔軟に取り入れることで次世代に伝えていく、良い事例ではないでしょうか。

紀文は、創業以来、おせち料理、相撲をはじめ、日本文化を大切にしてきました。 私たちは、先人が築いた伝統文化を受け継ぐとともに、それらを時代やニーズに合ったカタチに変化させ、次世代へと紡いでいく企業活動を続けてまいります。

newyearbakkwa

バクワは旧正月に欠かせない食材

bakkwasand

ワッフルの生地でバクワを挟んだバクワサンド

このページについて

このページ記載する正月(新年)の時期、行動、料理などは、該当国の全域的なものではなく、その国内に局所的に出現するものも含まれます。

《 調査概要 》

■調査名:紀文・海外4か国 正月実態調査2023
■調査機関:株式会社マーケティングアプリケーションズおよび株式会社紀文食品
■調査手法:インターネットによるアンケート方式
■調査日:タイ:2023年6月23日から30日、フランス:2023年7月21日、アメリカ:2023年6月23日、ブラジル:2023年6月23日
■調査対象::各国とも210人(内訳:男性20代35人、男性30代35人、男性40代以上35人、女性20代35人、女性30代35人、女性40代以上35人)

参考文献

書籍名:『世界のお正月百科事典』 第1刷:2018年12月 発行所:柊風舎