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紀文ペディア(年表・用語集)

紀文「食」用語集 か行

練りものの世界で使用する言葉があります。「あし」などがその筆頭。「あしが強い」と言えば、知らない人は「脚力」のことを浮かべるはず。おでんの世界でも「ちくわぶ」など、おでんならではの具があります。そんな用語や書物などを解説します。

カニカマ
カニ肉のように、食感・形状、色調、香味などのカニの風味が楽しめる練りもの。1970年代に新しい練りものとして注目を浴び、現在でも生食、サラダ、スープ、グラタンの具材など、様ざまな料理で利用されている。
かまぼこ
日本各地には、形状、加熱方法、味などに工夫を凝らした多種多様なかまぼこがあり、古くから独特の食味、形態を持つ名産かまぼことして知られている。かまぼこの最初の形は、今のちくわ形で、これが植物の「蒲の穂」に似ていて、蒲の穂は鉾のような形だったことから「がまのほこ」→「かまぼこ」と呼ばれるようになった。
かまぼこの弾力(かまぼこのだんりょく)
かまぼこの弾力「足」を形成するのは、すり潰した魚肉に塩を加えることで溶け出す筋原線維たんぱく質。その構成成分は、ミオシン、アクチンなどからなる。魚肉に塩を加え、さらにすり潰すと、ミオシンとアクチンが結合してアクトミオシンが形成される。
かまぼこの歴史(かまぼこのれきし)
京都大学・清水亘教授が1975年に発刊した、かまぼこに関する歴史書。日本食糧新聞社刊。膨大な古文書など資料をもとに研究され、現在でも練りもの業界のバイブルとして通用する。
空板(からいた)
かまぼこの板のこと。その役割はすり身に触らずに成型でき、加熱時などの持ち運びにも便利であり、また加熱時や冷却時のかまぼこに含まれる水分調整を図る腐敗防止の効果がある。材質としては、モミ科の木材が広く使われている。
替り目(かわりめ)
「おでん」が出てくる古典落語の演目。五代目古今亭志ん生の十八番で、現在でもCDで名演が楽しめる。内容は、外でたらふく飲んで家に帰ってきた亭主が、もう一杯飲ませろと女房と交渉、肴に屋台のおでんを買ってこさせるというお話。江戸っ子らしいやり取りが印象的。
関東煮(かんとうだき/かんとだき)
大阪での「おでん」の呼び名。諸説はいろいろあり、江戸時代のしょうゆ煮込みおでんが大阪に持ち込まれ、味噌だれのおでん(田楽)と区別して「関東煮」と呼ばれようになったという説が有力。大阪の関東煮に欠かせなかったのが、今や高級品のクジラの「コロ」や「さえずり」。現在でも関東煮には牛すじが欠かせない。
がんもどき
豆腐をつぶし、具材を加えて揚げたもの。雁の味に似ていることからこの名に。関西での呼び名は“ヒロウス”“飛竜頭(ひりゅうず)”。
切り出し(きりだし)
細工かまぼこの技法のひとつ。切り出しは、金太郎飴のようにかまぼこのどこを切っても同じ絵柄が出るかまぼこ。つけ包丁による手づくりは高度な技術を必要とするが、量産可能な板付けかまぼこ成型機がある。成型機は、5色もの色身を同時に送り出せ、精密に加工した口金と組み合わせることで、高度な模様の絵柄を描き出すことができる。細工かまぼこには、切り出しのほか、わん種、絞り出しなどがある。
筋原線維たんぱく質(きんげんせんいたんぱくしつ)
魚肉筋肉を構成するのが太いミオシンフィラメントと細いアクチンフィラメントが主なもので、アクトミオシンはこれらが結合してできたもの。
近世事物考(きんせいじぶつこう)
著者は国学者・歌人の久松祐之。1848年刊。かまぼこの表記について記されており、「後に板に付けたるができてより、まぎらわしきにより元のかまぼこは竹輪と名付けたり」と記載されている。
キントキダイ
かまぼこ・ちくわ・はんぺん・さつま揚などの原料魚。体の色はきれいな赤色で、名前の金時の由来となっている。主な漁場:本州中部以南、東南アジア。
クロカジキ
はんぺんなどの原料魚。体長は4.5m余り、体重は約900kgにも及ぶ。肉色は淡い桃色である。主な漁場:南日本から太平洋、インド洋の熱帯部に分布。
原料魚(げんりょうぎょ)
今日、スケトウダラに代表される冷凍すり身が広く普及するが、かまぼこは古くからその土地でとれた魚を用い、特徴のある製品が作られてきた。かまぼこの原料として必要な条件は、足が強いこと、色が白いこと、味のよいことなどが求められる。しかし、これらを備えたものは少なく、通常は数種類の魚をブレンドして作る。
黒白精味集(こくびゃくせいみしゅう)
江戸時代の料理書。1746年刊。てんぷらの作り方に「鯛の切り身にうどんの粉(小麦粉)を卵で練った衣をつけて油で揚げる」とあり、現在のから揚げのようなものも「てんぷら」と呼んでいたようだ。
古今調味集(ここんちょうみしゅう)
安土桃山時代に出された料理書。1580年刊。はんぺんやしんじょの漢字が様ざま記載。つみれ(摘入)や魚そうめんの作り方も。
ごぼう巻(ごぼうまき)
おでんの“巻き物”の一種。さつま揚にごぼうを巻き込んだもの。
コロ
関西特有のおでん種。クジラの皮の下の脂肪層から脂肪分を抜いて乾燥させたもの。現在は希少品なのでかなり高価。
こんにゃく
サトイモ科の植物であるこんにゃくいもの地下茎の部分(こんにゃく玉)が食用になる。成分のほとんどが水分。
蒟蒻百珍(こんにゃくひゃくちん)
江戸時代末期の1846年に記された、こんにゃく料理に関する書物。その中に記された料理の数は82品目。
昆布(こんぶ)
いいだしが出るおでんの名脇役。ノーカロリーという理由からか、最近の「人気のおでん種」調査では女性に人気。