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紀文・アジア練りもの紀行 vol.1 ベトナム編

紀文・アジア練りもの紀行 vol.1 ベトナム編

マレーシアの練りものは種類も豊富

マレーシアの練りものは種類も豊富

多様な文化が重なり合っているマレーシアでは、マレー、中華、インド、独特のニョニャ料理など、さまざまな味を楽しむことができます。それらを初めて食べたときは、日本にはない味わいに衝撃を受けました。その味に魅せられて以来、料理の勉強や食材を求めて年に3~4回マレーシアへ渡るようになり、17年前に「マレーチャン」をオープンしました。
熱帯ならではの野菜やフルーツをはじめ、マレーシアはとにかく食材が豊か。海に囲まれ大きな河川が多いため、魚もよくとれて種類が豊富です。市場に行くとアジやサバのような見慣れた魚から熱帯魚のようなカラフルなものまで、さまざまな種類が並んでいて、食卓に欠かせない食材となっています。
また、魚食が豊かなマレーシアでは練りものもたくさん食べられています。主な食べ方には、市販の練りものを買ってきて料理する方法と、すり身から練りものを作る方法があります。今回ご紹介する「ロロ」は市販の練りもの・魚介類・肉・野菜をしゃぶしゃぶのように食す料理、「オタオタ」は魚をすり身にして作る料理です。
市販の練りものは、白身魚や青魚、エビ、イカを使ったもの、ボール型、棒状、平たいものなど、いろいろな種類や形状があります。市場にある専門店では必要な量だけ買い求めることができますし、スーパーでは袋詰めになったものが売られています。マレーシアではどんな料理にもよく使われていて、いため物のほか、カレー、ココナッツミルクで作るシチューなど、煮込み料理に使うことも多いようです。

福澤 笙子さん

福澤 笙子さんマレーシアで出会った豊かな食に魅せられて、現地の味を日本で再現するため、1994年、西池袋に「マレーチャン」をオープン。本格的なマレーシア料理が食べられる店として、在日マレーシア人からの人気も高い。

「オタオタ」バナナの皮に包まれたスパイシーな練りものメニュー

「オタオタ」バナナの皮に包まれたスパイシーな練りものメニュー

マレーシアでは、魚をすり身にして作る料理の種類が豊富です。薄く平たくのばし乾燥させて揚げ、スナック感覚で食べるもの、ソーセージのような棒状にして揚げたものや蒸したものなど、さまざまですが、なかでもポピュラーなのは、今回ご紹介する「オタオタ」でしょう。 「オタオタ」は屋台でよく見かける人気の料理で、家庭で作ることもあります。今回は、サバのすり身にターメリック、コリアンダー、レモングラスなどのスパイスを加えた、クアラルンプールで食べられているレシピをご紹介します。
地域や家庭によって材料の魚や味付けなどが違っているので、クアラルンプール以外の場所では、ココナッツシュガーや黒砂糖を加えた甘みのあるものや鮮やかな紅色をしているものを食べたこともあります。屋台ではめん類のトッピングとして注文する人もいます。

オタオタ

「ロロ」屋台で食べるマレーシア風串おでん!?

「ロロ」屋台で食べるマレーシア風串おでん!?

私がよく滞在するクアラルンプールでは三食を屋台で済ませることがめずらしくありません。夕飯も、屋台が集まるナイトマーケットに家族で出かけ、その場で食事をしたり、テイクアウトをして家で食べたりします。
「ロロ」はそのような屋台食のひとつで、串に刺してあるバラエティー豊かな具材の中から、食べたい串を選び、お湯に入れて1、2分ゆで、好みのソースをかけていただきます。串は値段ごとに色分けしてあり、今回のレシピで用意した具材以外にも、イカ、玉子、鶏肉、ゆばなど、店によっていろいろなものがあります。練りものは何種類か並んでいるのが通例です。
マレーシアの家庭では10種類程度のソースが常備されていることが一般的ですから、材料をそろえるだけで準備できるロロは、人が集まるときの簡単メニューとして家庭で作られることもあるようです。今回は家庭でよく見られる大皿に盛りつけるスタイルをご紹介します。
食べ方や具材の種類、ソースの味などはお好みでアレンジしても良いでしょう。家族や仲間で気軽にマレーシア料理を楽しんでみてくださいね。

クアラルンプールに出ている、移動式のロロの屋台

マレーシア料理はスパイスがおいしさの要、練りものとの相性も抜群

マレーシア料理はスパイスがおいしさの要、練りものとの相性も抜群

マレーシア料理の魅力は、なんといっても、スパイスやハーブが織りなす豊かな風味です。本場のマレーシア料理のおいしさを味わっていただきたいので、私の店では、マレーシアやインドネシア出身の料理人が、現地から仕入れた調味料を使って調理しています。今回ご紹介しているレシピでは、「オタオタ」はすり身に加えるスパイスとハーブが、「ロロ」はスパイスやハーブをきかせたソースが味の決め手になっています。
また、「ロロ」を作ってみて気がついたことは、日本の練りものとマレーシアのソースとの相性のよさ。練りものと野菜のいため物などに加えてもおいしいと思いますよ。
以前は日本で手に入りにくいものもありましたが、近ごろでは、アジアの調味料を扱う輸入食材店やインターネット通販も増えていますし、当店のように店頭で調味料を販売している飲食店もあるので、ぜひ、材料をそろえて、ご家庭でマレーシアの味にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

福澤 笙子さん

福澤 笙子さんマレーシアで出会った豊かな食に魅せられて、現地の味を日本で再現するため、1994年、西池袋に「マレーチャン」をオープン。本格的なマレーシア料理が食べられる店として、在日マレーシア人からの人気も高い。