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紀文アカデミー

【練りもの】教室 基礎

練りもの図鑑
はんぺん

ふわふわとしてソフトで軽い食感の練りもの、はんぺん。すり身に、やまいもなどを加えてよくすって気泡を作り上げ、卵白などを加え、熱湯に浮かせてゆでて作るので「浮きはんぺん」とも言います。はんぺん独特のふんわり感を出すために、高速で撹拌(かくはん)して空気を抱かせることが大切です。

練りもの図鑑 はんぺん

作り方(浮きはんぺん)

作り方
作り方

歴史

はんぺんの語源は、駿府の膳部半平が作り、「はんぺい」がなまって「はんぺん」になったという説、あるいは天正3年(1575年)の記録に「かまぼこのはへん」という記述がある。また、形が半円状や四角い方形などの呼び方から来ているという説、ハモ肉でつくる「はも餅」から来ているという説や、魚肉にやまいもを半分加えることから質を表すという説などさまざまである。

雑学

はんぺんの仲間「しんじょ」

すり身に、やまいもや卵白をまぜて調味し、湯で煮るか、あるいは蒸して、凝固させたもの。しんじょとは「真薯」と書き、薯の文字は「薯蕷(しょよ)」からきており、やまいもの別名。使用する材料により、タイしんじょ、エビしんじょ、キスしんじょなどがあり、揚げたものは「揚げしんじょ」と呼ばれている。

はんぺんの仲間「あんぺい」

関西で主に食されるはんぺんの一種。関東で多く食される「はんぺん」とは異なる。しんじょの一種である。

全国のはんぺんいろいろ①【黒はんぺん:静岡県】

イワシやサバを原料とした、灰白色が特徴の、ユニークな形のはんぺん。「静岡風おでん」には欠かせない一品で、そのままで、サッとあぶって、フライにしてなど、いろいろな調理法で食べられている。

黒はんぺん
黒はんぺん
静岡風おでん
静岡風おでん

全国のはんぺんいろいろ②【はんぺん:愛知県】

はんぺん:愛知県愛知県の一部では、すり身を揚げた練りものが「はんぺん」と呼ばれている。そのままでサッとあぶったり、刻んで料理に使う。

全国のはんぺんいろいろ③【長崎はんぺん】

長崎はんぺん赤色、緑色など彩やかな色が特徴の長崎県特産の練りもの。県内ではちゃんぽんや皿うどんに欠かせない品だそう。

全国のはんぺんいろいろ④【伊勢はんぺん:三重県】

魚肉とやまいもなどが原料の三重県特産の練りもの。やまいもの仲間の伊勢いもが使用されることもある。

フランス版はんぺん=「quenelle」

quenelle(クネル)。すり潰した魚肉に小麦粉と卵黄を、バターなどの油脂と練り合わせた「パナード」という生地を混ぜて団子状にしたもの。魚だけでなく、肉類でも団子状にしたものを「クネル」と呼ぶそう。

昔はどのように記されていたの?

半片(はんぺん)、半平(はんぺい)と記されていたようだ。

なぜ昔は半片(はんぺん)というの?

一説には、魚のすり身をおわんのふたで、半円形に形取って作られたからとも言われている。

なぜ、はんぺんというの?

『虚南留別志』(1908年)によると、はんぺんの名前の由来について、(1)平安時代末期、平家追討時の源氏方の武士「半兵衛」を略したという説や、(2)源氏方にあって半分平家に味方したので「半平」など、面白い説も記載してあるが、こじつけであろうとされている。

参考文献:日本食糧新聞社 清水亘著『かまぼこの歴史』

なぜ、はんぺんというの?

『料理百珍』(1908年)には、「ハンペンと云ふは、原音フワンピエン(方餅)の訛にして長崎の…伝はりし名なる由…」と記載してある。このように長崎言葉がなまったとの説もあるが定かではない。

参考文献:日本食糧新聞社 清水亘著『かまぼこの歴史』

室町時代の書物にもはんぺんの記載あり!

「はんぺん」のほか、「はんへん」「はんべん」などの名が室町時代末期の料理書『運歩色葉集』(1548年)をはじめ、『今古調味集』(1580年)に見られ、半片、半弁、鱧餅などの漢字を当てている。

参考文献:日本食糧新聞社 清水亘著『かまぼこの歴史』

はんぺんはいつから食べられているの?

守貞謾稿』(1837年)には、関東の魚場ではんぺんを作っている様子が記されている。はんぺんに関する記述は同時代の多くの書で見つけられることから、江戸で広く食されていたことは間違いなさそう。

参考文献:日本食糧新聞社 清水亘著『かまぼこの歴史』

竹輪鱧(はも)へい(江戸時代の料理より)

江戸時代の料理本『料理伝』に、「竹輪鱧(はも)へい」という料理が載っている。「大根を細く丸むきにして、すり身を付け、さっと湯にして小口切りにする他」とある。通常、ちくわを作るときは竹の棒などにすり身をつけて焼く。この本では、ふわふわのはんぺんの身をちくわの竹の代わりに大根を芯にして、はんぺんを作るという珍しい料理を紹介している。

参考文献:日本食糧新聞社 清水亘著『かまぼこの歴史』

豆腐はんぺん(江戸時代の料理より)

江戸時代の料理本『豆腐百珍』(1782年)に「はんへん豆腐」という料理が載っている。「ながいもをよく摺り、豆腐、水をしぼりて等分によく摺りまぜ、まろくとり、みの紙に包みて湯烹す…」とある。豆腐と長いもを使った蒸し料理のようだ。

参考文献:『豆腐百珍

鰯はんぺん(江戸時代の料理より)

江戸時代の料理本『黒白精味集』(1746年)に「鰯半片汁」という料理が載っている。「きらずを細に摺身等分よりいわし少き方よし…」とある。きらずとはおからをさすので、おからとイワシで作った練りものの入った汁もののようだ。安価な食材でヘルシー、一挙両得の献立。

参考文献:『大江戸料理帖』

はんぺんは、なぜふわふわなの?

アイスクリームの製法と同様に、空気を含ませ、さらに発泡性のある卵白、やまいもを加えるからである。

はんぺんはなぜ白いの?

漂白剤や着色料の心配をされる方もいるが、一切使用していない。原料である白身魚の加工で水晒し(みずさらし)という工程があり、血合いや脂肪を洗い流す。また、白身魚を蒸すと身の部分は白くなる。これらにより、美しい白さが生まれる。

はんぺんのカタチ【あられ形】

はんぺんのカタチ【あられ型】白くて四角く、平らだけがはんぺんではない。「商品名:はんぺんあられ」は、白色と赤色の2色入りで、ころんとした形状でお吸いものなどに最適。

はんぺんのカタチ【山型】

はんぺんのカタチ【山型】白くて四角く、平らだけがはんぺんではなく、山型のはんぺんもある。四角い木枠にすり身を入れ、中央が山高になるように成形することで、独特の形状になる。

中身に具が入ったはんぺん

中身に具が入ったはんぺん紀文には、チーズクリーム、カレーなどの具材が中に入っているはんぺんがある。お弁当やオードブルに便利。

おでんにはんぺんを入れる理由は?

紀文の調査によると、1位「家族が好き」(40.0%)、2位「おでんの定番」(16.2%)、3位「見た目がよい」(16.2%)、4位「ふんわりしている」(13.5%)が上位にあがっている。

家庭での春夏期のはんぺんメニューは?

紀文の調査よると、1位「バター(オイル)焼」(77.9%)、2位「おでん」(39.2%)、3位「汁もの」(30.4%)、4位「そのままで」(27.5%)、5位「フライ・揚げもの」(25.0%)が上位だった。

家庭での秋冬期のはんぺんメニューは?

紀文の調査によると、1位「おでん」(87.8%)、2位「バター(オイル)焼」(65.7%)、3位「汁もの」(33.3%)、4位「鍋もの」(23.0%)、5位「フライ・揚げもの」(22.5%)が上位。

近畿圏でのはんぺんの認知率は?

関東圏の伝統食品とされるはんぺん。おひざもとの関東だけはなく、近畿圏でも大健闘しているようだ。紀文の調査によると、はんぺんの認知率は100%、利用経験率は78%だった。

はんぺんと塩分

はんぺんと塩分練りものは塩分が高いと思われがちだが、塩分量を比較すると、はんぺん1枚(100g)で1.5gに対して、ウインナー100gで1.9g、乾燥しらす100gで6.6gとなり、乾燥しらすの1/4以下の塩分量となっている。

五訂増補食品成分表2010女子栄養大学出版部版

はんぺんの栄養①【消化率比較編】

はんぺんの消化率はんぺんは消化吸収がよいので、育ち盛りの子どもから、食生活に気を使うご年配の方までおすすめ。調査によると、牛肉の倍以上の消化率となっている。

上智大学生物化学研究室調べ

はんぺんの栄養②【牛肉と鶏卵との比較編】

はんぺんと他の食品の栄養比較はんぺんは高たんぱく・低脂質の低カロリー食品。調査によると、牛肉や鶏卵と同程度のたんぱく質を持ちながら、低カロリーで、脂質が断然低いのがわかる。

五訂増補食品成分表2010女子栄養大学出版部版

包丁を使わずはんぺんを切る方法

はんぺんを切るときに、袋の上から定規やはしを押し当てれば簡単に切ることができる。まな板も使わないので洗いものが少なくて済む。包丁を使わないので小さな子どもでも安心。

お正月にははんぺんで伊達巻を

伊達巻はんぺんを使えば、ふんわりした伊達巻を作ることができる。作り方は、はんぺんを1cm角に切ってミキサーまたはフードプロセッサーにかけ、調味料などを入れてかき混ぜ、フライパンで焼き、最後にすだれで巻けばできあがり。

栄養

たんぱく質を多く含み、脂質の含有量が低い、高たんぱく低脂肪の食品である。

はんぺんの栄養価(100g当たり)
エネルギー
kcal
たんぱく質
g
脂質
g
炭水化物
g
食塩相当量
g
はんぺん949.9111.41.5

五訂増補食品成分表2010年女子栄養大学出版部版
(作成:女子栄養大学 教授・栄養学博士 蒲池桂子)

料理例

おでん
おでん
はんぺんバター焼き
はんぺんバター焼き
はんぺんのカプレーゼ風
はんぺんのカプレーゼ風