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紀文アカデミー

【練りもの】教室 基礎

練りもの図鑑
はんぺん

ふわふわとしてソフトで軽い食感の練りもの、はんぺん。すり身に、やまいもなどを加えてよくすって気泡を作り上げ、卵白などを加え、熱湯に浮かせてゆでて作るので「浮きはんぺん」とも言います。はんぺん独特のふんわり感を出すために、高速で撹拌(かくはん)して空気を抱かせることが大切です。

練りもの図鑑 はんぺん

作り方(浮きはんぺん)

作り方
作り方

歴史

はんぺんの語源は、駿府の膳部半平が作り、「はんぺい」がなまって「はんぺん」になったという説、あるいは天正3年(1575年)の記録に「かまぼこのはへん」という記述がある。また、形が半円状や四角い方形などの呼び方から来ているという説、ハモ肉でつくる「はも餅」から来ているという説や、魚肉にやまいもを半分加えることから質を表すという説などさまざまである。

なぜ、はんぺんというの?

『虚南留別志』(1908年)によると、はんぺんの名前の由来について、(1)平安時代末期、平家追討時の源氏方の武士「半兵衛」を略したという説や、(2)源氏方にあって半分平家に味方したので「半平」など、面白い説も記載してあるが、こじつけであろうとされている。

参考文献:日本食糧新聞社 清水亘著『かまぼこの歴史』

豆腐はんぺん(江戸時代の料理より)

江戸時代の料理本『豆腐百珍』(1782年)に「はんへん豆腐」という料理が載っている。「ながいもをよく摺り、豆腐、水をしぼりて等分によく摺りまぜ、まろくとり、みの紙に包みて湯烹す…」とある。豆腐と長いもを使った蒸し料理のようだ。

参考文献:『豆腐百珍

鰯はんぺん(江戸時代の料理より)

江戸時代の料理本『黒白精味集』(1746年)に「鰯半片汁」という料理が載っている。「きらずを細に摺身等分よりいわし少き方よし…」とある。きらずとはおからをさすので、おからとイワシで作った練りものの入った汁もののようだ。安価な食材でヘルシー、一挙両得の献立。

参考文献:『大江戸料理帖』

はんぺんはいつから食べられているの?

守貞謾稿』(1837年)には、関東の魚場ではんぺんを作っている様子が記されている。はんぺんに関する記述は同時代の多くの書で見つけられることから、江戸で広く食されていたことは間違いなさそう。

参考文献:日本食糧新聞社 清水亘著『かまぼこの歴史』

雑学

はんぺんは、なぜふわふわなの?

アイスクリームの製法と同様に、空気を含ませ、さらに発泡性のある卵白、やまいもを加えるからである。

はんぺんはなぜ白いの?

漂白剤や着色料の心配をされる方もいるが、一切使用していない。原料である白身魚の加工で水晒し(みずさらし)という工程があり、血合いや脂肪を洗い流す。また、白身魚を蒸すと身の部分は白くなる。これらにより、美しい白さが生まれる。

おでんにはんぺんを入れる理由は?

紀文の調査によると、1位「家族が好き」(40.0%)、2位「おでんの定番」(16.2%)、3位「見た目がよい」(16.2%)、4位「ふんわりしている」(13.5%)が上位にあがっている。

全国で「はんぺん」と呼ばれる練りもの

浮きはんぺん 浮きはんぺん すり身にやまいもなどを加えてよくすり、卵白などの調味料を加えたソフトな食感の白色のはんぺん。熱湯に浮かせてゆでることから「浮きはんぺん」と言われている。東京を中心とした関東の名産品。
さつま揚 さつま揚 全国にはすり身を揚げたものを「はんぺん」と呼ぶ地域が点在する。なかでも中部地方の岐阜、福井、愛知、静岡が多い。
サンドはんぺん サンドはんぺん 白くて丸、または四角い形状で、チーズやカレーなどの具材をはさんだふんわり柔らかい食感のはんぺん。
黒はんぺん 黒はんぺん 静岡県の名産で、イワシ、サバなどの赤身系のすり身を使用し、灰白色をしている。半月型でしっかりとした食感。
こが焼き こが焼き 白身のすり身に、玉子や砂糖、豆腐などを混ぜ込み焼きあげる。黄色味を帯びたしっかりした食感の練りもの。
梅花はんぺん 梅花はんぺん 紅白の梅の花の形をした、コシがあってしかも柔らかな食感のはんぺん。
長崎はんぺん/玉はんぺん 長崎はんぺん/玉はんぺん 赤や緑などのカラフルな色が特徴で、「蒸し板かまぼこ」のような食感。長崎ではちゃんぽんや皿うどんの具として欠かせない一品。
あごはんぺん/あご半べん あごはんぺん/あご半べん あごを原料とし、やまいもなどでつないだ「さつま揚」や「蒸し板かまぼこ」に近い弾力のあるはんぺん。半べんも含む。
伊勢はんぺん 伊勢はんぺん 白くて薄い円形をしており、やまいも(伊勢いも)でのばしたプニプニした食感の柔らかいはんぺん。三重県の特産品。
あんべい あんべい ハモを主原料とし、ほかにシログチなどを配合しすり身にしたものを、よく伸ばした後、湯で煮あげて作る。京阪地方で主に食べられる。

はんぺんと塩分

はんぺんと塩分練りものは塩分が高いと思われがちだが、塩分量を比較すると、はんぺん1枚(100g)で1.5gに対して、ウインナーソーセージ100gで1.9g、しらす干し100gで6.6gとなり、しらす干しの1/4以下の塩分量となっている。

日本食品標準成分表2015年版(七訂)

はんぺんの栄養①【消化率比較編】

はんぺんの消化率はんぺんは消化吸収がよいので、育ち盛りの子どもから、食生活に気を使うご年配の方までおすすめ。調査によると、牛肉の倍以上の消化率となっている。

上智大学生物化学研究室調べ

はんぺんの栄養②【牛肉と鶏卵との比較編】

はんぺんと他の食品の栄養比較はんぺんは高たんぱく・低脂質の低カロリー食品。調査によると、牛肉や鶏卵と同程度のたんぱく質を持ちながら、低カロリーで、脂質が断然低いのがわかる。

日本食品標準成分表2015年版(七訂)

家庭での春夏期のはんぺんメニューは?

紀文の調査よると、1位「バター(オイル)焼」(77.9%)、2位「おでん」(39.2%)、3位「汁もの」(30.4%)、4位「そのままで」(27.5%)、5位「フライ・揚げもの」(25.0%)が上位だった。

家庭での秋冬期のはんぺんメニューは?

紀文の調査によると、1位「おでん」(87.8%)、2位「バター(オイル)焼」(65.7%)、3位「汁もの」(33.3%)、4位「鍋もの」(23.0%)、5位「フライ・揚げもの」(22.5%)が上位。

包丁を使わずはんぺんを切る方法

はんぺんを切るときに、袋の上から定規やはしを押し当てれば簡単に切ることができる。まな板も使わないので洗いものが少なくて済む。包丁を使わないので小さな子どもでも安心。

栄養

たんぱく質を多く含み、脂質の含有量が低い、高たんぱく低脂肪の食品である。

100g当たりエネルギー
kcal
たんぱく質
g
脂質
g
炭水化物
g
食塩相当量
g
はんぺん949.91.011.41.5

日本食品標準成分表2015年版(七訂)

料理例

おでん
おでん
はんぺんバター焼き
はんぺんバター焼き
はんぺんのカプレーゼ風
はんぺんのカプレーゼ風