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雑煮の餅の形

正月の神様である歳神様は、大晦日の夜に降神されます。大晦日の夜に歳神棚に料理膳を供え、それと同じものを家族一同で共食するならわしを伝えています。これを「神人共食」といい、日本で顕著な伝統です。

時代がすすみ、神人共食の一種として歳神様に供えた餅(あるいは歳神様の神座の鏡餅)をさげて分配しました。これが全国的に元旦の雑煮祝いとなりました。

正月に自宅で食べる雑煮の餅の種類を聞いたところ、東日本は角餅、西日本の高知と鹿児島以外は丸餅という結果となりました。

民俗学者の神崎先生に、なぜ、雑煮の餅が丸餅と角餅に分かれるかということを伺ったところ、「元々雑煮の餅は、神さまに備えた丸い餅を神人共食で食したことがはじまりで、丸形であったと思われる。寒冷地では、水泡や気泡を内にためないために延ばすことが合理的で、延ばしたら切ることになり、角餅と相なる」とお答えいただきました。

東日本は角餅、西日本は丸餅

雑煮の具材ランキング

ランキングおせちの具材
1位鶏肉
2位ニンジン
3位かまぼこ
4位ダイコン
5位シイタケ
6位ミツバ
7位ネギ
8位ホウレン草
9位ゴボウ
10位サトイモ・八ツ頭
11位なると巻・つと
12位カツオ節
13位ハクサイ
14位油揚げ
15位こんにゃく
16位エビ
17位コマツ菜
18位黒豆
19位豆腐類
20位カズノコ
21位コンブ
22位ちくわ
23位ユズ
24位セリ
24位タケノコ
26位正月菜、餅菜
27位ブリ
28位きな粉
29位豚肉(内臓含む)
29位イクラ・スジコ
31位カブ
31位海苔類
33位カツオ菜
34位するめ
35位餡入り丸もち
36位小豆
37位サケ
38位ふ(生・乾燥)
39位大豆
40位ハマグリ
41位モヤシ・オヤシ
42位タラ(棒ダラも含む)
43位クルミ
44位ズイキ
45位シャクシ菜
45位ハゼ

喫食率・上位10都道府県の分布による地域比較

ここからは、調査を実施した雑煮の具材の喫食率について、それぞれ上位10都道府県を算出、地図化して、東西に分かれるなどの特徴を持つ具材を選んで比較してみました。

練りもの

  • 【雑煮の具材】
    なると巻・つと

    なると巻・つと
  • 【雑煮の具材】
    かまぼこ

    かまぼこ

共に蒸して作る練りもの。「かまぼこ」は弾力のある食感が特徴で、板にすり身を盛りつけた後、蒸し上げて作ります。「なると巻」は赤と白のすり身を巻いて作る、渦巻模様とフォルムが特徴的な練りものです。
なると巻は20位内をみても東日本の北海道、東北、関東地方で上位を占めた東高西低の結果となりました。かまぼこは上位を九州と中四国がほとんどを占める西高東低の結果となり、おでん種と同じ傾向が見られました。

赤い魚介類

  • 【雑煮の具材】
    イクラ・スジコ

    イクラ・スジコ
  • 【雑煮の具材】
    エビ

    エビ

共に赤色の魚介類で彩りも良く豪華な一品。雑煮としては「イクラ・スジコ」ではサケも一緒に入れる「親子雑煮」が、「エビ」では鹿児島の一部地域で食される「さつまえび雑煮」が有名。
イクラ・スジコは、岩手、宮城、新潟、青森、北海道とサケの漁獲量が高い県が上位を占め、東高西低の結果となりました。エビは東日本の富山と山梨を除き、西日本が上位を占め、10位内に九州の鹿児島、沖縄、大分、熊本、福岡、佐賀、宮崎と7県もランクインし、西高東低の結果となりました。

野菜

  • 【雑煮の具材】
    セリ

    セリ
  • 【雑煮の具材】
    ミツバ

    ミツバ

共に香りを楽しむ野菜。両方ともセリ科の多年草で、日本原産といわれています。雑煮には「セリ」はゆでて使用することが多く、「ミツバ」は彩りとしてそのままでの使用が多いですが、結び三つ葉もおすすめです。
セリの上位8県までが、宮城、山形、岩手、青森、秋田、福島、石川、新潟と東日本の北側が多くを占め、ミツバも4位の鹿児島以外は北海道、福島、青森、神奈川、茨城などの東日本が多く、2つの野菜とも東高西低の結果となりました。

【雑煮の具材】

局地的に出現する野菜

局地的に出現する野菜

雑煮に入れる具材のベスト20には、野菜では根菜類としてニンジン・ダイコン・ゴボウ・サトイモ(八ツ頭)、葉茎菜類としてミツバ・ネギ・ホウレン草・ハクサイ・コマツ菜、キノコ類としてシイタケがランクインします。
これ以外にご当地ならではの葉茎菜類として、26位に東海エリアを中心に食される「正月菜・(餅菜)」、33位に北九州を中心に食される「カツオ菜」、41位に南九州を中心に食される「モヤシ・オヤシ(長いモヤシ)」などがあり、なかでも熊本の水前寺モヤシなどが有名です。

特別調査 紀文・ご当地おせち料理アンケート

調査日程:2022年10月29日(土)~11月4日(金)

調査手法:インターネットによるアンケート記入式

調査対象:20代~60代以上の既婚女性 5,875 人
各都道府県 125人
(各20代 25人、30代 25人、40代 25人、 50代 25人、 60代以上 25人)

調査機関:株式会社マーケティングアプリケーションズおよび株式会社紀文食品

※雑煮の設問は 3,595 人(用意者ベース)

※おせちの設問は 4,891 人(用意者ベース)