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紀文アカデミー

【おでん】教室 地理

種もの・たれマップ

講師:新井由己先生(おでん研究家)

日本中で愛されるおでん。地域によって「え?」っと驚く種ものが入っていることがあります。つけだれにも地域で特徴があります。おでん研究家・新井由己さんが全国を回って調べてきた「種ものマップ」「たれマップ」を紹介します。

おでん種もの・たれマップ

おでんは庶民の味方

日本各地の「おでん」を食べ歩いてきて、改めて「おでん」の魅力についてまとめてみると、まず「おでん」は庶民の味方であるということです。誰でも気軽に食べられるものです。

次に、素材を生かした健康的なメニューであることです。たとえば紀文さんの提案する「おでん」が一般に思い浮かぶものとするなら、栄養のバランスは大変よい。魚肉を使った練りものは玉子と同じくらいの高たんぱくで、しかも低カロリーなのです。これに、なにか青菜を加えれば、栄養バランスは完璧です。沖縄の「おでん」にはかならず青菜を入れますが、これを参考にいろいろな野菜を入れて楽しんでみることをおすすめします。

次に、「おでん」は変幻自在に味の変化が楽しめるメニューであるということです。「おでん」は本当に奥深く、バリエーションも日本だけで20パターンくらいある料理です。工夫次第で、今後もさらにたくさんの食べ方が生まれる可能性を持っていると言ってよいでしょう。

最後に、「おでん」は郷土料理であり、すべての日本人のおふくろの味です。故郷や、家族だんらんに直結する「おでん」は人の心を豊かにします。

種ものマップ

マフラーというのは、長方形のさつま揚のこと。北海道の西側では、さつま揚のことをテンプラ(西日本の呼び名)という。ツブ貝は、北海道ではむき身だが、東北では殻つきのまま串刺しになっている。郡山以南のコンニャクは黒いが、コンニャク粉を輸入している沖縄は白い。宇和島の「じゃこ天」は、ハランボという小魚を丸ごとすり身にして揚げたもの。佐世保の「人工衛星」は具だくさんのがんもどきで、「揚げだし」とも呼ばれる。長崎の「わしかん」は団子状のイワシかまぼこ。

おでん種マップ

たれマップ

おでんタレマップ
  • ■しょうがみそ

    米みそベースのたれにしょうがをすりおろして加えたもの。

  • ■田楽みそ

    米みそをベースにした甘辛の田楽みそ。

  • ■豆みそだれ

    豆みそをたれやみりんなどでのばしたもの。

  • ■しょうがしょうゆ

    しょうゆにしょうがをすりおろして加えたもの。

  • ■からしみそ

    米みそベースのたれにからしを溶いたもの。

  • ■みがらしみそ

    麦みそベースのたれにからしを溶いたもの。

  • ■宮古/からしみそ

    からし入りのみそだれ。四国出身者が広めた可能性あり。

  • ■釜石/しょうがみそ

    しょうが入りのみそだれ。青森出身者が広めた可能性あり。

  • ■飯田/ネギしょうゆ

    みじん切りのネギをしょうゆに漬け込んだもの。

  • ■名古屋/豆みそ煮込み

    豆みそを溶かした汁で煮込んだもの。

  • ■徳島/白みそ煮込み

    白みそを溶かした汁でさっと温めたもの。

  • ■長崎/柚子コショウ

    柚子の皮をすりおろし、青唐辛子と塩を混ぜたもの。九州北部で親しまれている。

新井由己(あらい・よしみ)プロフィール
新井由己(あらい・よしみ)さん

おでん研究家。1965年、神奈川県藤沢市生まれ。自分が知りたいことではなく、相手が話したいことを引き出す聞書人(キキガキスト)でもあり、同じものを広範囲に食べ歩き、その味の違いから地域の文化を考察する比較食文化研究家でもある。1996年から日本の「おでん」を研究し、地域限定の「ハンバーガー」を食べ歩いて10年目を迎えた。2003年からはフィールドを海外へ広げ、インドの「カレー」も食べ歩いている。「おでん博物館」www.odengaku.net