門松は、新年に年神様が降りてくるときの目印です。杉なども使われていましたが、平安時代に常緑の松は神が宿る木と考えられ、松が使われるようになりました。後に、まっすぐに節を伸ばす竹が、長寿を招く縁起ものとして添えられました。
玄関前や門前に左右に対で立てるようになったのは、江戸時代頃からで、玄関に向かって左側を雄松、右側を雌松と呼びます。
門松を29日に立てるのを「苦立て」、31日に立てるのを「一夜飾り」といって敬遠されます。28日頃に立てるのがよいでしょう。

しめ飾りも門松と同様、年神様を迎えるために飾りつけられるものです。家の中が、年神様を迎えるために清められた場所であることを示すものです。もともとは神社と同じように、しめ縄を張り巡らしましたが、次第に簡略化され、今はしめ飾りや輪飾りがよく使われています。
しめ飾りには、ウラジロ(不老長寿)やユズリハ(子孫繁栄)、ダイダイ(家運隆盛)など、縁起のよい植物があしらわれています。
古くから餅は、神様に捧げる神聖な食べものとして考えられ、祝いごとや祭りの日には欠かせないものでした。正月に、年神様に供える餅は、人の魂を模して丸い形に作られました。それが鏡の形と同じだったため、鏡餅と呼ばれました。餅を大小2つ重ね合わせるのは、月(陰)と日(陽)を表し、縁起がいいと考えられたためです。
昔は、多くの家で餅つきをしましたが、12月31日につくのを一夜餅、29日につくのを苦餅といって嫌いました。鏡餅は1月11日の鏡開きまで、床の間や各部屋に飾ります。
武士が出陣の際、三方に「打ち鮑」「槝栗」「昆布」を載せて酒の肴とし戦勝を祈願したことから縁起のよいものとされています。
結納の品では、子孫繁栄を願って「子生婦」の字があてられています。
また、「よろこぶ」の語呂合わせからお正月の鏡餅の飾りにも使用されています。
寿留女の字をあて結納の品として使用され、めでたい祝儀の膳に欠かせない品でした。
恵比寿神を奉るエビス棚には、注連縄が飾られ、するめ・昆布・新巻鮭などを飾る習慣がありました。寿とは、幸せのこと祝事を表す言葉です。
※門松、しめ飾り、鏡餅:「日本人のしきたり」 飯倉晴武編著 (青春出版社)より抄録