おでん;これさえ読めば、あなたもおでんのエキスパート。おでんのおいしい作り方も必見!

- プロフィール
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新井由己(あらい よしみ)
1965年、神奈川県藤沢市生まれ。1991年からアウトドア雑誌や旅行ガイドブックに文章を書き始めるが、1993年から2年間は田舎暮しの資金稼ぎのためにタクシー運転手となる。その後、パソコン・インターネット関係の原稿を書きながら、民俗学の世界に傾倒し、「文化」を視点にしたルポ記事の執筆と写真撮影を続けている。本年上梓した著書「とことんおでん紀行」(凱風社)が話題となり、注目を集める。来年秋には産地を訪ね全国のおでんのレシピをまとめた第2弾の著書を出版予定。
うどんやかき氷とも!? 日本全国で愛されるご当地おでんのさまざま
グルメ番組や雑誌で「おでん」が取り上げられるのは冬の時期だけですが、日本全国で生活に密着していて、各地に個性豊かな特色が見られるおもしろい食べ物です。家庭で食べるおでんのほかに、花見の屋台や夏祭りのときに食べるおでんもあります。
北海道では、つぶ貝・大根・さつま揚などを串に刺して、昆布だしで温めたものに、生姜が効いた味噌だれをかけて食べています。この「味噌おでん」は春から夏にかけて屋台で食べるもので、冬になると汁がたっぷりの一般的なおでんになります。
また、青森市では「生姜味噌おでん」が親しまれています。青森県内でほかに食べる習慣がないことから、青函連絡船によって北海道から食文化が伝えられたのでしょう。春から夏にかけて食べる点も北海道と同じです。
青森の生姜味噌おでんには、「大角天」(薄くて大きなさつま揚)や「ネマガリダケ」(細長い筍)が使われます。北海道や東北では山菜をおでんに入れることも多く、フキやワラビも味わえます。
おでんに入る野菜といえば、大根・じゃがいも・里芋・ロールキャベツが思い浮かびますが、人参を入れるという家庭もあります。沖縄では季節の青菜類をだしでさっと煮て出してくれます。
それから四国の「讃岐うどん」の店にセルフサービスのおでんがあることは、あまり知られていないようです。店に入ってうどんを注文する前に、おでん鍋から好きな数だけ皿にのせて、それをつまみながらうどんが出てくるのを待ちます。すべての種が串刺しになっているため、精算時におでんを何本食べたか自己申告します。このスタイルは四国全体に広まっていて、店の片隅におでん鍋が置いてある食堂も多く見られます。ちなみに四国では年間を通じておでんを食べていて、からし味噌をかけています。
四国と並ぶ“おでん王国”なのが静岡です。静岡市を中心にして、富士川と大井川の間のエリアには「静岡おでん」と呼ばれるものがあります。真っ黒い牛すじのだしに、串刺しのおでん種が飛び出ていて、だし粉(イワシやサバの削り節の粉)や青のり、味噌だれをかけていただきます。
かつて駄菓子屋でおでんを食べたという人もいると思いますが、静岡ではいまだに駄菓子屋が数多く残っているのです。子どもたちが学校帰りに買い食いしたり、近所の主婦が鍋を持って買いに来たりするようです。
おでんは冬に食べるものというイメージがありますが、静岡では夏のほうが良く売れるという声を聞きます。驚かされるのが、かき氷とおでんを注文して、それを交互に食べる点です。静岡人にとっては当たり前のようですが、他地域の人にとっては信じられないでしょう。
さらに焼津市には、子どもたちから「おでんプール」と呼ばれるプールがあり、休憩時間には子どもたちが行列になるほどです。地域のPTAが運営していて、子どもたちは「早くプールでおでんが食べたい」と、夏休みが待ち遠しいとか。
最近ではレトルトおでんが普及し、海の家で販売されたり、学園祭の屋台で使用されているようですし、コンビニエンスストアのおでんも地域性が出てきて、味噌だれなども用意されるようになってきました。地元で愛されているおでんを、ちょっと食べに出かけてみては?
このお話は新井由己先生の寄稿によるものです。
報道用資料 2005年発行「紀文鍋白書」より *インタビュー内の栄養成分の表記等は、各報道用資料発行当時の公表数値に基づきます。
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