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「わが家のお重詰め写真募集」「お正月に関するアンケート調査(全国)」(ともに紀文食品が募集・実施)と株式会社ヘルシーピットの調査をもとに選出し、奥村彪生さんに追記・監修いただきました。さらに、そのなかから、各都道府県で代表的なものをひとつずつ奥村さんに選んでいただき、以下の日本地図に書き込んでいます。

参考文献
「聞き書 ふるさとの家庭料理 20巻」
(編集:社団法人農山漁村文化協会、解説:奥村彪生)
「週刊朝日百科世界のたべもの 9,10巻」(朝日新聞社)
「トランヴェール2004年12月号」
(株式会社ジェイアール東日本企画)

郷土のおせち料理レシピ一覧

北海道氷頭なます

材料:4人分

氷頭
50g
大根
100g(3cm厚さ)
にんじん
30g(1/6本)
(A) 酢
大さじ4
   砂糖
大さじ2
   塩
少々

作り方

  1. 大根とにんじんは皮をむいてせん切りにし、塩(分量外)をふってしんなりとさせ、水で洗い水気を切る。
  2. ボウルにAを合わせ、1と氷頭を入れて和え、器に盛る。

レシピ制作者とコメント

ヘルシーピット北海道支部 大村朋江さん(島根県出身で現在の居住地は北海道)
「大根のなますに氷頭(生鮭の頭部)を入れたもので、甘味の強い味つけです。彩りにいくらをのせることもあります。」

福島県:こづゆ

材料:4人分

ホタテ貝柱(乾燥)
4個
400cc
鶏もも肉
100g
にんじん
50g(約1/4本)
大根
100g(3cm厚さ)
里芋
100g(2個)
ごぼう
50g(約1/4本)
しらたき
50g
木綿豆腐
100g(1/3丁)
しょうゆ
小さじ2
少々

作り方

  1. ホタテ貝柱を水で戻してほぐす。(戻し汁は残しておく)
  2. 鶏もも肉は1.5cm角に切る。にんじん、大根、里芋、ごぼうは皮をむいて1cm角に切る。しらたきは2cm長さ、木綿豆腐は1cm角に切る。
  3. 鍋に1としょうゆ、酒を入れてひと煮立ちさせ、2を加えて火が通るまで煮る。

レシピ制作者とコメント

ヘルシーピット東北支部 金子小百合さん
「ホタテの貝柱でだしをとるのが特徴で、祝いの席では会津塗の椀でいただきます。」

福島県:こづゆ

材料:4人分

大根
100g(3cm厚さ)
にんじん
50g(約1/4本)
柚子
1個
(A) 酢
大さじ6
   砂糖
大さじ4
   塩
少々

作り方

  1. 大根は皮をむき2mm厚さの輪切りにして、半日、天日干しする。
  2. にんじんは皮をむいて、大根の直径に長さを合わせてせん切りにする。柚子は皮をせん切りにし、果肉をしぼる。
  3. 2を1で巻き、密閉容器に並べる。
  4. 鍋にAを入れて沸騰させて冷まし、柚子果汁を1/2個分混ぜる。
  5. 4を3に注ぎ、2~3日、冷蔵庫で寝かせて漬け込む。

レシピ制作者とコメント

ヘルシーピット関東支部 須田涼子さん
「天日干しにした輪切りの大根で具材を巻き、酢漬けにします。ほかに、生姜、昆布、干し柿などを具材にすることもあります。」

新潟県:のっぺい汁

材料:4人分

ホタテ貝柱(乾燥)
3個
干ししいたけ
4枚
大根
100g(3cm厚さ)
にんじん
100g(約1/2本)
里芋
150g(3個)
こんにゃく
1/2丁
たけのこ(水煮)
40g
塩鮭
1切れ
絹さや
4枚
ぎんなん
8個
にぼし
4本
(A) 水
400cc
   しょうゆ
大さじ1と2/3
   酒
大さじ2
   みりん
大さじ2

作り方

  1. ホタテ貝柱は300cc(分量外)の水、干しいたけは150cc(分量外)の水でそれぞれ戻し、干しいたけは4等分に切る。
  2. 大根、にんじん、里芋は皮をむいて直径2cm大の乱切りにする。こんにゃく、たけのこも2cm大の乱切りに、塩鮭はひと口大に切る。ぎんなんは殻と薄皮をむいておく。
  3. 絹さやはすじを取り、斜め半分に切ってゆでる。
  4. 鍋に1と2、にぼし、Aを入れて煮る。
  5. 具材がやわらかくなったらにぼしを取りだす。器に盛りつけ、3を飾る。

レシピ制作者とコメント

ヘルシーピット甲信越・北陸支部 三留美和さん
「だしのでる具材をたくさん使っているので、うまみがたっぷりで、うす味でもおいしく仕あがります。冠婚葬祭など人の集まるときには欠かせない料理で、夏は少し具材を変え、冷やしていただきます。」

岐阜県:焼きイワシ

材料:4人分

イワシ
4尾

作り方

  1. イワシの両面に焼き色がつくまで、グリルで焼く。

レシピ制作者とコメント

ヘルシーピット東海支部 馬淵恵さん
「大みそかの年取り魚として、“頭つき丸干しイワシ”を食べる習慣があります。イワシは大きめのものを選びます。」

京都府:棒ダラの煮物

材料:4人分

棒ダラ(タラの干物)
200g
だし
500cc
50cc
(A) 砂糖
大さじ3
   しょうゆ
大さじ3
   みりん
大さじ2

作り方

  1. 棒ダラをたっぷりの水につけ、朝と晩に水を取りかえながら3日間ほどかけて戻す。戻した棒ダラは3~4cm幅に切る。
  2. 鍋に1と棒ダラがかぶるくらいの水を入れて火にかける。沸騰したら火を弱めて落としぶたをし、1時間ほど、アクを取りながらゆでる。途中で水分が少なくなったら、水を加える。やわらかくなったら冷水にとり、よく洗って水気を切る。
  3. 鍋に2とだし、酒を加えて落しぶたをし、アクを取りながら弱火で約30分間煮る。
  4. 3にAを加えて落しぶたをし、煮汁が1/3量くらいになるまで弱火で煮る。

レシピ制作者とコメント

ヘルシーピット近畿(関西)支部 野田裕美さん
「棒ダラは、天日で干した保存食です。時間をかけてじっくりと戻してからしっかりと下ゆですることで、ふっくらとした炊きあがりになります。海老芋や里芋と一緒に調理することが多く、棒ダラの料理には、こってり甘辛く煮たものと、だしをきかせて薄味で煮たものがあります。」

島根県:赤貝の煮物

材料:4人分

赤貝(殻付きのもの)
500g
(A) 酒
大さじ2
   みりん
大さじ1
   しょうゆ
大さじ1/2

作り方

  1. 赤貝を流水でこすり合わせながら洗い、水気を切る。
  2. 鍋にAと1を入れて沸騰させ、落しぶたをして煮る。
  3. 中火で貝の口が開くまで加熱し、火を止める。

レシピ制作者とコメント

ヘルシーピット北海道支部 大村朋江さん(島根県出身で現在の居住地は北海道)
「昔は中海(なかうみ:松江市近くにある海の名称)で赤貝がよく獲れたことから、正月料理として食べていたそう。赤貝よりひとまわり小さい“さるぼう”で調理している家もあるようです。貝に含まれる塩分だけで蒸し煮にすることも。」

徳島県:金時豆

材料:4人分

金時豆(乾燥)
200g
砂糖
80g
少々

作り方

  1. 金時豆は水で洗い、ざるにあけて水気を切り、鍋に豆が十分に隠れるくらいの水と入れて、一晩浸す。
  2. 1の水を捨て、豆が十分に煮える程度の水を加えて中火にかけ、煮たったら弱火にして約20分間煮る。
  3. 2に砂糖と塩を加えて、好みのやわらかさになるまで煮る。

レシピ制作者とコメント

ヘルシーピット中国・四国支部 福原由加里さん
「徳島県では黒豆の代わりに、金時豆を甘煮にしたものを食べます。」

宮崎県:金柑煮

材料:4人分

金柑
8個
砂糖
100g
大さじ2

作り方

  1. 金柑は洗って水分を拭き取る。へたをとり、へた部分に十字に切り込みを入れる。
  2. 鍋に切り込みを入れた部分を下側にして金柑を並べ、砂糖をかけて1時間程度置く。
  3. 2に水を入れて砂糖を溶かし、焦がさないように弱火で30~60分間煮る。

レシピ制作者とコメント

ヘルシーピット九州・沖縄支部 川上徳子さん
「金柑はビタミンCが豊富なため、昔から風邪予防としても食べられてきました。鮮やかな黄色がお正月料理に彩りを添えます。一晩置くと、甘みがしっかりと染みこみ、よりおいしくなります。」

沖縄県:田芋田楽

材料:4人分

田芋(蒸し)
200g
3/4カップ
砂糖
50g
少々
みりん
大さじ1/2

作り方

  1. 田芋は皮をむき、ひと口大に切る。
  2. 鍋に1と水を入れて、弱火で5~10分間程度煮たら、砂糖と塩を加えてさらに煮る。
  3. 水気がなくなりねっとりとしてきたら、みりんを加えて練り、つやがでてきたら火を止める。

レシピ制作者とコメント

ヘルシーピット九州・沖縄支部 川上徳子さん
「沖縄県では、栗きんとんの代わりとして食べられています。お正月だけではなく、祝いごとがあると作る料理です。」

47都道府県に見られる郷土のおせち

県名 おせち料理 備考
北海道 氷頭(ひず)なます サケの頭(氷頭)と大根をなますに仕たてたもの。正月だけでなく、普段も食す。
茶碗蒸し ぎんなんの代わりに栗の甘露煮を入れることもある。
サケ漬け、サケいずし サケいずしは、サケと野菜に飯塩、こうじを加えて漬け、乳酸発酵を促進させたすし。
青森県 ナマコ(酢のもの、酢じょうゆかけ) ナマコは青森県上北郡横浜町の特産で、県内でよく食べられている。
  いちご煮 ウニとアワビのすまし汁。ウニが野いちごのように見えることから、このように名づけられた。
岩手県 サケ紅葉漬 切り身と筋子を混ぜて、しょうゆ、みりん、唐辛子で漬ける。
宮城県 ナメタカレイの煮物 特に子持ちのものがめでたい食材とされ、正月には欠かせない。
秋田県 ハタハタずし、ハタハタ漬 秋田県の正月の料理には、祝い魚としてハタハタが欠かせない。また、祝いの料理としても魚が多く登場する。
きりたんぽ 米を硬めに炊き、少量の塩を混ぜて米粒の形が残る程度につきつぶし、くしに巻きつけて焼いたもの。鍋の食材としても用いる。
山形県 カラカイの煮物 カラカイとは干したエイのことで、カラカイを戻して、しょうゆ等で煮る。
コイの甘煮(うまに) 米沢市ではコイが貴重なたんぱく源として用いられた。祝いの席では欠かせない。
福島県 浸し豆 青大豆を薄い塩水に浸し、その汁でゆでる。ゆであがったら冷まして煮汁にしょうゆとみりんを混ぜて浸し、そのまま食す。甘酢や塩をつけ、食すこともある。
こづゆ ホタテの貝柱でだしをとるのが特徴で、会津塗の椀で食すことが多い。
イカにんじん スルメの細切りとにんじんのせん切りを、酒、砂糖、しょうゆに漬けたもの。
豆数の子 枝豆と数の子を漬けたもの。
茨城県 フナの甘露煮 フナ以外に、ほかの淡水魚で作る場合もある。
栃木県 モロサメの煮物 モロサメ(青ザメ)をしょうゆで煮る。栃木県は海に隣接していないので、モロサメが珍重される。
みみうどん 耳の形をしたうどんで、縁起のよい料理である。
水ようかん 日光市にはようかん専門店が複数あり、好みの味を購入して食す。
群馬県 干し大根のなます 輪切りにして干した大根に柚子とにんじんのせん切りを巻いて、柚子果汁入りの甘酢に漬けたもの。
埼玉県 うどん 雑煮の代わりとして食す。
千葉県 はばのり 現在では出まわる量が少なく、高級食材とされているのり。“幅をきかす”とされ、縁起のよいもの。
魚の甘露煮(ハゼ等) 東京湾と利根川の水郷一帯にかけて魚が獲れるため、甘露煮などにする。
太巻きずし 千葉県の郷土料理。正月だけでなく、人が集まるときに広く食される。
東京都 伊達巻 全国的によく食べられているおせち料理だが、関東での喫食率がとくに高い。
神奈川県 きんぴらごぼう もともと江戸で大衆料理として広まったことから、現在も正月によく食べられている。
新潟県 のっぺい汁 だしのでる具材をたくさん入れた汁。正月だけでなく祝いの席には欠かせない料理。
かき和えなます かきのもと(菊)、れんこん、にんじん、大根などを薄切りにして、ごま、酢、くるみをすったものと和え、砂糖、しょうゆで調味する。
ニシンこうじ漬 ニシンをこうじと塩に漬け、軽くぬぐってからそのままかサッとあぶって食す。ほかに、しょうゆ、酒、みりん、さんしょうの葉または実で漬けることもある。
富山県 ブリ(刺身、すし)、イカの刺身 日本海の産物、ブリを多く食す地域とイカを多く食す地域がある。
からむし タイにおからを入れて蒸したもの。縁起のよい料理である。
石川県 べろべろ 寒天に溶き卵を入れて固めたもの。“えびす”とも呼ばれる。
かぶらずし ブリの切り身をかぶではさんで、こうじに漬けて発酵させたもの。
福井県 うち豆なます 秋に収穫された新大豆を水につけ、表面を乾かしてから木づちで叩いて花型にし、ゆでてすり鉢でよくすり、酢・砂糖・塩(味噌を使うことも)で調味する。塩もみした大根、にんじんと和える。
山梨県 煮貝 山梨県の名産で、アワビをまるごとしょうゆ味で煮浸しにしたもの。昔は駿河湾のアワビを用いた。
長野県 長芋ようかん 蒸した長芋をすりおろして固めたもの。ほかのものは混ぜず、甘い味つけではない。正月だけでなく、普段も食す。
すりぞめ 正月2日に長芋をすりおろして、“とろろ汁”や“やまかけ”などにする。 2日が書き初めの日であることにちなみ、すりおろした長芋を食べる習慣がある。
きりぞめ 正月3日に麺類(うどんなど)を食す。麺を伸ばして切ることから、“切り初め”と呼ぶ。
岐阜県 焼きイワシ 年取りの魚として、大晦日に大きなイワシを食す。
ニシンずし 白川郷地域で年取り膳に欠かせない。身欠きニシン(干したニシン)を戻して食べやすく切り、大根やにんじんと一緒に麹漬にする。
静岡県 ブダイの煮物 ブダイはブダイ科の魚で、海藻を好んで食べる冬場はとくに味がよくなる。おもに煮物として食す。
わさび漬 粕漬の一種で、細かく刻んだわさびを酒粕に漬ける。わさびのピリッとした辛味と歯ざわりが特徴。
愛知県 鶏すき 昔から漁業が盛んな知多半島で正月のもてなし料理として食べられる。鶏肉・豆腐・蒲鉾・白菜・ねぎなどをたまりじょうゆと砂糖の味つけで煮ながら、酒を酌み交わす。締めにはゆでうどんを加える。
三重県 煮なます 具材の昆布、しいたけ、にんじん、大根などを、砂糖、しょうゆ、酢の調味料で、汁気がなくなるまで煮る。
滋賀県 赤こんにゃくの煮物 赤こんにゃくは、こんにゃくを作る過程で三二酸化鉄を加えて着色したもの。近江八幡の名産品。
フナずし 郷土料理の代表格。現存するなれずしのなかでもっとも古い形態と考えられている。
京都府 棒ダラの煮物 関西地方で欠かせない正月料理。真ダラの干したものを用いる。京都府では海老芋と一緒に炊くことも多い。
千枚漬 伝統野菜の“聖護院かぶら”の皮をむいてスライスし、漬けたもの。
大阪府 にらみ鯛 祝い膳のタイの姿焼。まず年男が箸をつけて、その後、家族そろって食べるのが慣わしであった。
兵庫県 冷たい八宝菜、大根餅、腸詰 おもに神戸在住の中国や台湾出身者が、正月に火を使ってかまどの神様を驚かせないよう、たくさん作り置きする。温める程度に火にかけて食べる。
奈良県 酢ごぼう 奈良県では、特産の“宇陀金ごぼう”を使う。
高野豆腐の煮物 吉野郡野迫川村がかつて高野豆腐の産地であったことから、全県的な料理となっている。棒ダラと一緒に煮ることもある。
柿なます 薄切りにした干し柿を塩もみした千切りの大根と和えて、紅白なますにする。
和歌山県 サンマずし サンマを開いて塩をふってから、特産のじゃばらやだいだいの果汁で味をつけて、姿ずしにする。これに、白板昆布の巻ずしを添えることもある。
鳥取県 カズノコの大根おろし和え カズノコを大根おろしで和え、しょうゆで調味して食す。
島根県 赤貝の煮物 赤貝より小ぶりな“サルボウ”で作ることも。正月だけでなく、祝いの席には欠かせない。
ワニ(サメ)の刺身 “ワニ”とはサメのこと。ボイルしたものに酢みそをつけて食す。
岡山県 黒豆と結び昆布と勝栗の煮物 山間部にみられる料理。黒豆を砂糖としょうゆで煮るときに、縁起ものの昆布と勝栗を加える。
広島県 白和え 昔、豆腐は祝いの席のごちそうであった。こんにゃくやきのこを具材にすることが多い。
山口県 フグ(刺身、うま煮、蒲鉾) 福を祈って食すことから、縁起がよい食材とされる。料理法は幅広い。
徳島県 ふくさ汁 ふくさ汁とは袱紗汁と書き、複数の味噌を混ぜあわせて調味した汁を指す。
金時豆 いんげん豆の一種である金時豆に、砂糖を加えて煮る。
香川県 メザシの昆布巻 かんぴょうの代わりに、ずいきでくくることが特徴としてあげられる。
愛媛県 じゃこ天 地場の小魚のすり身に、調味料を加えて油で揚げた練り製品。
寒天よせ しょうゆが入った甘辛い味つけで、錦糸玉子と季節の野菜が入る。天草の産地だったこともあり、祝いの席で広く食べられるようになった。
ひのかぶら漬 松山地方特産の外側だけが赤いかぶを使った漬物。なますのかわりに食す。
高知県 皿鉢料理(さわちりょうり) 大皿に刺身などのごちそうをふんだんに盛ったもの。祝いの席の料理として広く食べられる。
サバの姿ずし サバに頭からずっしりと酢飯を詰めこんだ姿ずし。すし皿鉢のなかのひとつである。
高野巻 含め煮にした高野豆腐のなかに、魚のすり身をはさんだもの。
福岡県 ブリ(刺身、塩焼き、照焼き) 出世魚として祝いの席でよく食べられている。
佐賀県 アラ料理 “アラ”とはクエのこと。正月のころが脂がのっていて最もおいしく、頭から内臓、尾まで、捨てるところのない珍味として尊ばれている。刺身や湯びき、鍋ものにして食す。
長崎県 クジラ(湯びき、なます) 長崎県では、正月は大きい物を食す習慣があり、ブリやタイなどの刺身をよく食べる。なかでも、クジラは欠かせない。生月島はかつて捕鯨地であった。
熊本県 辛子れんこん 熊本県の郷土料理。れんこんの穴に辛子味噌を詰めた大ぶりな天ぷらのこと。
大分県 がめ煮 九州北部一帯で広く食べられる郷土料理。鶏肉、にんじん、ごぼう、れんこん、干ししいたけの野菜、こんにゃくを煮汁がなくなるまで煮こんだもの。
宮崎県 こが焼 卵料理で宮崎県や鹿児島県で食べられている。すり身の入った加工品もある。
金柑煮 金柑の産地のため、正月に食べられている。
鹿児島県 軟骨煮 とんこつをとろとろに煮る料理。
芋きんとん さつま芋の産地のため、きんとんにしてお重にたくさん詰める。
つけ揚 近海で獲れる魚を使ったさつま揚のこと。
沖縄県 田芋田楽 正月だけでなく、人が集まるときに食す。
東道盆(トゥンダーブン) 仕切りのある器にごちそうを並べたもので、器単体を“東道盆”と呼ぶこともある。
中身汁 沖縄県の郷土料理。中身とは豚の臓物をさし、すまし汁に仕たてる。昔は客膳料理として用いられた。
サーターアンダーギー 祝いの席に欠かせない揚げ菓子。

※上記の料理は、「わが家のお重詰め写真募集」「お正月に関するアンケート調査(全国)」(ともに紀文食品が募集・実施)と株式会社ヘルシーピットの調査をもとに選出し、奥村彪生さんに追記・監修いただいたものです。
※都道府県の全域的な料理ではなく、一部の地域でのみ確認できる料理も含まれています。
※お正月によく食されるほか、祝の席の料理、一年を通じて食す料理、冬期に食す料理も含まれています。
※雑煮は除いています。
参考文献:「聞き書 ふるさとの家庭料理 20巻」(編集:社団法人農山漁村文化協会、解説:奥村彪生)、「週刊朝日百科世界の食べもの 9、10巻」(朝日新聞社)、「トランヴェール 2004年12月号」(株式会社ジェイアール東日本企画)

わが家の伝統として受け継ぐ郷土のおせち お話 株式会社ヘルシーピット 須田涼子さん

今回ご紹介する郷土おせちのレシピは、全国の栄養士にアンケートを行い、その土地ならではのおせち料理をまとめたものです。その結果、全国共通のおせち料理に、郷土おせちを組み合わせるところが多く見受けられました。また、郷土おせちの作り方は祖父母や母、姑などから直接教えてもらったという人が多いのも印象的でした。私も母から受け継いだ「干し大根のなます」(群馬県)を紹介しています。年末になると、大根を干していた郷里の母の姿を懐かしく思い出します。
全体をみると、年取り膳として大みそかに食べるもの、元旦に食べるもの、年始のお客様へおもてなしとして出すもの、2日目以降に食べるものと、その土地と家のしきたりやならわしに合わせて、いくつかの系統に分かれるようです。一方、共通しているのは、どれも、地場でとれる山海の幸を活かしていること。郷土のおせちは、地産地消を見事に取り入れた料理といえます。
栄養面からみると、食物繊維が豊富な豆や根菜を使った料理が多いようです。
そもそも、蒲鉾、伊達巻、黒豆、田作り、昆布巻などの各地共通で食べられているおせち料理は、栄養価の高い食材を使ったものばかり。おせち料理は、伝統料理である一方、健康に寄与する優れた料理でもあります。

地元以外の郷土おせちについて知ることができるのは、情報が発達した現代ならではでしょう。私も「田芋田楽」(沖縄県)を今回初めて食べましたが、田芋のねっとりとした甘みはやみつきになるおいしさで、今年の年末には作ってみようと思いました。みなさんも、気にいったレシピを見つけて、ぜひわが家のおせち料理に加えてみてください。