なべ;冬はやっぱりお鍋でしょう。山海の幸に恵まれた日本では、各地に自慢のお鍋があるのです。

- プロフィール
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渡辺あきこ
料理研究家。東京生まれ。
土井料理学校で学び、1985年より、フリーの料理研究家として活躍。和風を基本とした、家庭料理の奥義を追求している。「きょうの料理」、「オレンジページ」などテレビ、雑誌で活躍中。著書に「ヘルシースープが飲みたい」(パルコ出版)など多数。最新刊は「あ、おいしい」「わ、かんたん」(オレンジページ)
健康は毎日の食事の積み重ねですから、栄養をどうバランスよくとるかというところに尽きると思います。もちろん、おいしく、簡単にということが前提です。その点、鍋料理はベストだと思います。栄養バランスがよく、下準備や調理に時間がかからず、なにより一品ですみますから、主婦としてはとても便利な料理です。味のバリエーションはいくらでもつけられるので、わが家では、秋冬は毎日のように鍋が登場します。
東洋では、「体を温めるもの」「体を冷やすもの」というように食べものを陰と陽(寒と温)にわけていく考え方があります。体を温めたい時はしょうがやねぎ、唐辛子を食べたり、逆に夏場などはきゅうりやすいか、うり等をたべると体の熱を放散させることができるそうです。食べもののどのような効果が体にどのようにはたらくか、ということを知っていると安心ですし、自分や家族の健康状態を、食べもので調整できます。
たとえば、夏に冷房で体が冷えきってしまった時や風邪気味のときには「体を温めるもの」を食べるというようなことです。わが家では、風邪のひきはじめには、にんにくをたっぷりと使った鍋にします。風邪には水分をたっぷりとることが大切なので、栄養素がたくさん溶け出した鍋のスープをいただくことが、すごく良いのです。風邪のときは、この鍋を食べてたっぷり寝るのがよいでしょう。
風邪だけでなく、少し体が弱っている時や食欲がない時も、鍋。それは、おいしく簡単で、栄養がたくさんとれるからです。
野菜は切り方と茹で方が秘訣
おいしい鍋の秘訣は、材料の組み合わせ。基本は豆腐や肉、魚、ねり製品などのたんぱく質類と野菜、そしてだしです。この3つの要素をどう組み合わせるかが工夫のしどころです。
もうひとつの秘訣は、火の通し方。とくに野菜は茹で加減がすごく大事です。あまり生っぽくても青臭いし、茹で過ぎると栄養素もぬけてしまいます。上手に茹でるには、野菜の切り方も大切。じっくり煮込む時は厚く切り、さっと煮たい時は細く薄く切ること。千切りにして、しゃぶしゃぶ感覚で食べる野菜の味は、鍋ものならではでしょう。
さらに鍋のよいところは、同じ鍋を囲んでも、タレや薬味で好みの味付けにできること。私がよく用意するのはごまやしょうが、そして和風の味に意外と合う黒胡椒です。薬味をたくさん用意すると、それだけでご馳走気分を演出できますし、加えたい栄養素を取り入れることもできます。この冬も、わが家は鍋づくしになりそうです。
報道用資料 1998年発行「紀文鍋白書」より *インタビュー内の栄養成分の表記等は、各報道用資料発行当時の公表数値に基づきます。
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